今日の心がけ~職員のスピーチ~

諦めなかった野球部

2024.01.12

平成23年に発生した東日本大震災の翌年の春、第84回選抜高等学校野球大会に21世紀枠で、I高校が初出場した時のエピソードです。
前年、津波被害の影響でグラウンドにはヘドロが溜まっていました。
他校の野球部が大会へ向けてトレーニングに集中する中で、I高校野球部のメンバーはグラウンドを掃除しなければ練習できないハンディを背負っていたのです。

予期せぬ困難に遭遇すると、<なんでこんな目に合うんだ>と憤り、恨み節を言いたい気持ちになるかもしれません。
しかし、メンバーたちは「最後まで諦めない」という言葉を合言葉にして、グラウンドの整備と練習に励んだのです。

主将を務めたAさんは、選手宣誓では「感動、勇気、そして笑顔を。見せましょう日本の底力、絆を」と力強く宣言しました。
不安でいることは、生活にマイナスの影響を及ぼしかねません。
自身の底力を信じて、平常心で乗り切りたいものです。

今日の心がけ◇底力を震わせましょう

(『職場の教養』:一般社団法人倫理研究所より)

今回の震災では平穏な日常とたくさんの命が失われ、被災された方々の心情は、言葉で言い表せないほど辛いものでしょう。
一生に一度の成人式をお祝いできなくなってしまった被災者の方もいると思います。

また、10代の若い世代はコロナによる学校行事の中止や休校措置などで、寂しく悔しい思いを味わったことも辛い経験です。
ごく自然に青春時代を過ごした人たちに比べると絶望感や孤独感をより経験することになってしまったと思います。
当時わが子も小学校卒業を目前に突然の休校措置がとられました。小学校最後の貴重な時間を失い、楽しい日常が消え、大混乱したのを覚えています。

苦労や試練に遭ったときには、むしろ幸運だと思いなさいという考え方もありますが、それは決して簡単なことではありません。
ある人は人生の明暗を分けたのは、運不運ではなく心の持ちようだったとも言っています。
確かに、困難な状況を悔やんでいても起きてしまった事実は変えられません。
気持ちを切り替え自分を奮い立たせることで、試練を乗り越えていくことが理想でしょう。

しかし私はそれほど強い精神力を持った人間ではありません。
正直なところ、このような考え方は自分に当てはまるのか疑問に思う部分があります。
ひとつ付け加えるとするなら、ひとりで乗り越えられない壁は、仲間となら超えられるという考え方です。

本文の高校球児がそうであったように、周囲との連携や励ましで、沈んだ心も変わるきっかけになるでしょう。

教務係 寺田

ほんとうにそのとおりです。
今年も新年早々大地震があり、多くの人が被災しました。
「なぜ、こんな日に」「なぜ、この地域が」「なぜ、我が家が」と悔しさと怒りの感情が起きたに違いありません。

寺田寅彦の「天災は忘れた頃にやってくる」という言葉を思い出した人も多いのではないでしょうか?
忘れてはいなくとも、まさか自分の身に降りかかるとは思いもよりません。
しかし、文明が進んだ結果、これまで思いもよらなかったことが、思いもよらない形で、思いもよろない地域に自然災害が起きています。

「動物や植物が絶滅の危機にある」「絶滅危惧種」などと言われますが、人もその中に入っていくことを忘れていませんか。
自らが原因を作っていることさえも気づいていない人も多くいるかもしれません。
自然災害と言われますが、もはや自然ではなく人間が引き起こした人的災害が自然災害を誘発していると言えるかもしれません。

そのような過酷な状況でも懸命に復興に当たっている人々には頭が下がる思いがします。
困難な状態にもかかわらず懸命に生活を立て直そうとする方々にも敬意を払いたくなります。
できることなら苦労や困難はできる限り避けたいものです。

しかし、それを引き起こしているのが文明の発達や発展だと考えると、果たしてそのような文明が必要なのかと疑いたくなります。
これは両刃の剣と言えるかもしれません。
いずれにしてもホドホドと言われる分限をわきまえた中で過ごしていきたいものです。

それでも苦労や困難から抜け出すためにはポジティブな考えと笑顔と感謝の気持ちを持つことです。
分限をわきまえた生活をもう一度取り返すことができれば予期せぬ災害との遭遇はなくなるかもしれません。
時代を逆行するかもしれませんが、人は自然の一部であることを再確認しながら生活を送りたいものです。

藤田

 

 

 

 

 

 

 

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