今日の心がけ~職員のスピーチ~

穿った見方

2023.11.15

慣用句は、会話の中に盛り込むと、伝えたいことが相手に伝わりやすくなる、とても便利な言葉です。
しかし、その本来の意味を知らずにいると誤解を生むこともあります。
 
Aさんは、先輩との会話の中で、「君はいつも、物事に対して穿った見方をするよね」と言われたことがありました。
その時、Aさんは先輩の言葉に少しムッとしました。
というのも、「穿った見方」とは、「ひねくれたような、疑ってかかるような見方」だと思っていたため、そのように言われるのは。先輩から批判されたようで心外だったのです。

ところが先輩の口調は批判的ではなく、どちらかというと感心しているような雰囲気でした。
怪訝に思いつつ辞典で調べてみると、「穿った見方」には「物事の真相や人情の機微をしっかりととらえる」の意味もあることを知りました。

もしもその時、「穿った見方なんでしていません」と先輩に伝えていたら、謙遜と受け止められたでしょうか、物事を知らない後輩だと思われたでしょうか。

 
  今日の心がけ◆慣用句の意味を調べましょう
  (『職場の教養』:一般社団法人倫理研究所より)


”慣用句”も”ことわざ”も似たようなものと感じがしますが、”慣用句”は、いくつかの言葉を組み合わせたり、元の言葉の意味とは違う意味を持つようになった言葉とありました。
また、”ことわざ”は、昔から伝えられてきた人の生活に役立つ知恵や教えを表す言葉と説明文がありました。

普段会話する中で、自然と”慣用句”を使って話をすることがありますが、”慣用句”を使おうと思い考えながら会話をしているのではなく、いつの間にか使っていたことに改めて気が付きます。
誰もがいろいろな場面で、言葉に出合い、その言葉を身近に使っているということになります。

”慣用句”は。言葉の組み合わせで本来の言葉の意味とは違う意味になる言葉ですから、本文のAさんの様に間違った意味としてとらえ、使っている言葉があるかも知れません。

”慣用句”をいろいろ調べるのもなかなか面白いと思います。

日本語は、特に漢字の音読みと訓読みでそれぞれ意味が違うものがあり。何十年もあたり前の様に使っている言葉でもまだまだ知らない言葉や日本語のルールがあると思います。

今では、分からない言葉や意味はすぐにネット検索で解決することができてしまいますが、この機会に国語辞典を用いて言葉を調べ、改めて日本語にきちんと触れていけたらと思います。
そして、本学の学生にも日本語の美しさを知ることや正しい日本語を使える人になるお手伝いができたらと改めて思いました。
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実習指導係 栗原

そうですね。
言葉は難しいですね。
そのため「人を見て法を説け」と言われるように、言葉は相手を選んで使わなければなりません。

企業ではテクニカルタームをアタリマエとして一般の人に対して使わないようにとは、よく言われますね。
慣用句も同じ、使う相手や状況などのTPOが必要でしょうね。
お互いがはっきりと意味を知っている者同士ではアタリマエに通じても、意味を取り違えている人とでは会話が成り立ちません。

以前よく言われた「情けは人の為ならず」や「犬も歩けば棒にあたる」などの例がありますね。
「情けは・・・」は完全に誤りの意味に捉えて反対の意味で使っている人もいました。
「犬も・・・」は「行動をすれば良いことがある」と「余計なことをすれば災難に会う」の両方の意味があります。

慣用句などを適切に使える人は「教養のある人」といわれますね。
日本語は一つのものやことにもいろいろと異なる表現があり、ほんとうに美しい言葉です。
この美しい日本語は日本文化の高さを表しているともいえます。

この素晴らしい文化を継承するためにも日本語にもっと親しみ、本来の意味をもって会話ができると良いですね。
スマートフォンでのメールが当たり前になった現在、美しい日本語が絶滅の危機に瀕していいると言ってよいでしょう。
和歌や俳句に親しむ、古典文学に親しむ等から、今一度、美しい日本語を使えるようになりたいものです。

藤田
  
  

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