今日の心がけ~職員のスピーチ~
伝統を大切にする
2022.01.12
海外での和食ブームが日本のメディアを賑わせています。
和食人気の理由の一つは、日本食のヘルシーさにあるといわれます。
自国の料理に比べて、調味料を多量に使わずに、出汁を使った低カロリーなものであるなど、昨今の健康志向と相まって人気となっています。
また、平成25年に、和食がユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録されたことも要因にあるようです。
和食の特徴として、
①多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重、
②健康的な食生活を支える栄養バランス、
③自然の美しさや季節の移ろいの表現、
④正月等の年中行事との関わり、が挙げられます。
日本は世界から見ても、独自の文化を築いてきました。
和食に関しても素材を活かし、季節の食材や食器にもこだわり、自然の美しさを表現しています。
食の営みは、行事や風習などとも密接に結びついています。
和食と共に、先人たちが大切にしてきた地域や家の伝統も大切にしていきたいものです。
今日の心がけ◆食文化を受け継ぎましよう
「職場の教養」(一般社団法人倫理研究所より)
日本の食文化の原点は、出汁にあると思います。
その出汁の歴史は長く、奈良時代まで遡るそうで、堅魚(かつお)を税として納め、朝廷へ昆布を献上していたという記録が残っているそうです。
この出汁文化は地域によって、肉体労働が盛んであった関東では濃い口、頭脳労働が中心の京都では薄口などの差があります。
島国という地理的な要因で、海や山の幸が豊富でありながら、華美に走らず、食材の良さを出汁で更に活かすという清貧さが感じられます。
北海道では、冬に真鱈の白子(タツという)を汁物で食す習慣があり、年末年始の帰省で母とタツ汁を作りました。
私が昆布とイリコで出汁を取ろうとすると、母から「タツから上等な出汁が出るので不要」と諭され、“おふくろの味”とは、このことかと納得しました。
近隣の国では、油を多用し豪奢な料理に仕上げる国もあれば、辛味に特徴ある国もあります。
我が国にも世界に誇れる独自の食文化があり、年中行事とともに食の伝統を考え、そのことに触れて後世に伝えていかなければならないと強く感じました。
係長(学生係) 中村 周