今日の心がけ~職員のスピーチ~

父が着ていたコート

2024.03.29

 気温が少しずつ上がってくるこの時期、毎年。Mさんは冬物の衣類を整理します。
その中には、14年前に亡くなった父のコートがあります。
 そのコートは、会社員だった父が昇進した際に、母がプレゼントしたものです。

生地はカシミヤで、当時、数十万円もする高級品でした。
父の亡き後はそれを着る人がいなかったため、長い間タンスにしまわれていました。

 Mさんが社会人になった時、母から「お父さんの形見だから」と譲り受けました。
古いコートで流行のデザインではありませんが、
良質の生地で擦れているところもなく、支障なく着用できそうでした。

 冬になり、それを着て会社に行くと、上司から「いいコートだね。自分で買ったの?」と尋ねられました。
それまでの経緯を話すと、「亡きお父さんが、いつも傍で見守ってくれていると思って大切にしなさい」と言われました。
 〈父もこのコートを着て仕事に行っていたのだ〉と思うと、心強くなり仕事への気概も高まったMさん。

春には、感謝を込めてそれを丁寧にしまいます。

今日の心がけ ◆思い出の品を大切にしましょう(「職場の教養」一般社団法人 倫理研究所より)

 
 誕生日にプレゼントしてもらった物や、結婚式の引き出物など大切な人からいただいた記念の品物は、使うたびにその人の顔が浮かびます。

食器の中でいくつか思い出の品として大切にしている物があります。
そのなかでも、いちばん古いのは私自身が子どもの頃に使っていた陶器製のランチプレートです。

母から譲り受けたものですが、何十年たってもキャラクターの柄が剥げてしまうこともなく、私も子育て期間中によく使ってきました。
 最近では、子が成長し、あまり頻繁に使うことがなくなりました。
しかし、それを目にすると、「母がこの食器に美味しい食事を盛り付け、育ててくれたのだ」という感謝の気持ちがわき、元気がもらえる気がします。

いつか、私も譲り渡すときがくるかもしれません。
その時まで大切に使っていきたいと思っています。

図書館担当 大木

そうです、父や母の残したものに何かと愛着を感じますね。
このようなことは、年末や季節ごとの片づけをしている時に感じますね。
それぞれ一つひとつに歴史があり、想いがこもっています。

「断捨離をすべきだ」と理屈では理解できても、気持ちの上では理解ができませんね。
「これはあの時にみんなで行った・・・」「これは寝る時いつも・・・」などなど。
それぞれ接していた人にとっては、全てが文化遺産です。

服1着、皿1枚、ハンカチ1枚、ボール1個などなど、どれをとっても思い出がいっぱい詰まっています。
値段でもなく、お宝でもないモノでも本人にとっては想い出の宝箱なのです。
「想い出多き人生は豊かな人生である」と言われます。

物を大切にするかどうかは、そこにどれだけの想いが込められているかどうかです。
ですから、他人からみれば捨てれば良いモノを何故大切ににとって置くのだろうと不思議に感じられます。
「生まれ出でたるものはすべて滅する」と言われるように、いずれかの折に全ては無になります。
生きている間に想い出をできるだけ多く作って人生を豊かにしていきましょうね。

藤田

 

 

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