今日の心がけ~職員のスピーチ~

譲り合いの対応

2022.11.25

公共機関の乗り物に、優先席が設けられていることは周知のことです。
好意で席を譲ろうとした人が、頑なに断わられている場面を見かけることもあり、譲り合いの加減が難しい場合もあるでしょう。

Mさんが電車の座席に座っていると、老夫婦が乗車してきました。
優先席が一席だけ空いていたため、足腰の悪い奥様が座りました。
その隣に座っていた初老の男性が立ち上がり、席を譲ろうとすると、
ご主人は「大丈夫ですから」と、断わりを入れたのです。
男性は「私の方が若いと思うのですが・・・」と遠慮がちに続けました。
その言葉に、ご主人は「そうですね」と微笑み、頭を下げて、席に着いたのでした。

Mさんは、席を譲る行為を断られても、再度別の言い方で勧めた男性の機転に感心しました。
また、好意を受け入れたご主人の行動にも心が温かくなりました。

白身も高齢者と呼ばれる年齢に差し掛かっているMさんは、席を譲る時、譲られた時の言葉やふるまいについて考えさせられたのです。

今日の心がけ◆席を気持ちよく譲り合いましょう
「職場の教養」(一般社団法人倫理研究所より)

都心の混みあっているホームで、空いている電車が到着すると、椅子取りゲームのごとく席が埋まります。
男女問わず、意外と体力のありそうな人たちこそ、そのような行動に出ます。
私も若い頃は、そんな一人であったと思います。

乗り物に限ったことではありませんが、人から何かを譲られ、優しさに触れたことで心が動き変化します。
そこから相手に譲る気持ちと行動が生まれます。

よく、外国人は自己主張が強いのに対し、日本人は大人しく謙虚であることが美徳のように言われてきました。
欧米では、子供に対して自信を持てる人に育ってほしいと願い、日本では、周りに心配りできる人に育ってほしいと思うそうです。

奪い合いの文化や環境で育つと、言うべきことは主張して勝ち抜いていかなければならないのでしょう。
日本でも徐々にそのような傾向が表れているのかもしれません。
ただ、譲り合うことで、物は満たされなくとも心が満たされます。
そして、そこに小さな平和が生まれるのであれば、この気持ちを大切にし、恵まれた生活に置かれていることに感謝したいです。

教務係 中村

そうですね。
「譲る」ということは、お互いに緊張しますね。
特に年齢で「譲る」という行為が発生したときはなおさらです。
譲られた側は「そんな年齢に見られたのか、自分の方が若いと思のだが・・・」と複雑な気持ちになるのでしょうね。
身体の不自由な人や具合の悪い人、妊婦さんなどは素直に譲ることができるのですがね。

しかし、このこともお互いが他人を意識した行動がとれなくなったためか、「優先席」が設けられたことには少し残念な気持ちになりました。
「忙しく」なったことから、「思いやり」や「余裕」の心が亡くなったのでしょうか。
「する」という能動的な行動ことより、「される」という受動的行動が増えてきたからでしょうか。

ドアや戸の開け閉めなどから生活の周りにもにもこれが感じられます。
これまでは次の人が来るかどうかを確かめてから、ドアを閉めることが常識的なことでした。
今はドアを開けて自分が通れば、ドアはそのままに・・・。

自動(自分のためだけに動く)化が進むにつれ、相手を思いやっての行動が少なくなっています。
数年前、インドネシアからの学生が本学に来たことがあります。
その学生たちは初めての日本でしたが「道路にゴミがない」「混んでいても列にきちんと並ぶ」「他人に先に勧める」などに驚いていました。

これは「譲り」の習慣や伝統がまだ人の心に残っているからだと思います。
「譲」は「他の人のために自分のモノを」という精神は自身の快適さを他の人に与えることを意味しますから。
「己の欲する所を人に施せ。”So in everything, do to others what you would have them do to you,”-New International Version (Matthew 7:12)-

信頼される保育者を目指す本学の学生はこの気持ちを持ち続けて欲しいものです。
そのためにもサポーター役の我々教職員が手本となるよう率先して「譲りあう」ことを伝えていかなければなりませんね。

藤田

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