今日の心がけ~職員のスピーチ~
支え支えられ
2023.11.13
かつて、とある容疑で、ある女性が逮捕されました。
しかしこれは、後に冤罪事件となりました。
突然身柄を拘束された女性は、裁判を進めていく中で、日々の生活や仕事など、すべてが思うに任せず、援助の手を差し伸べてくれる人の力が頼りでした。
この経験から、女性は「人は誰でも、ある日突然支えられる存在になる」ことを教えられたそうです。
極めてまれで特異なケースとはいえ、「人の支えのありがたさ」ということを、改めて考えさせられる出来事であったと思われます。
この世に生まれてから、親を始め多くの人の手助けを受けて成長し、知恵を授かり、知識を得て、社会人として生きているのが私たちです。
このような有形無形の支えにより、今の自分がいることには誰しも納得がいくでしょう。
人はいつどこで、他人や家族の手を借りざるを得なくなるかはわかりません。
人の世は、互いの支えで築かれていることを意識しつつ、日頃から穏やかで、ぬくもりのある人間関係を作り上げていきたいものです。
今日の心がけ ◆周囲の人の支えとなる生活を送りましょう(「職場の教養」一般社団法人 倫理研究所より)
子どもが小さかった頃、両親には、本当によく手助けしてもらいました。
幸いにも、両家の両親が近隣に住んでおり、短時間で行き来ができるため、助けがほしいときにはいつでも手を借り、応援してもらえました。
そのおかげで、子育て期間中に孤独を感じることもありませんでした。
感謝の気持ちを伝えると、義母はいつでも「お互い様だから気にしないで」と言ってくれ、心が軽くなったことを思い出します。
近頃、義母は足の痛みがあり、ひとりで外出することが難しくなってきたため、週1回の買出しに付き添うようになりました。
そのたびに、「申し訳ないね、ありがとう」と言ってくれる母に「お互い様だから気にしないで」と伝え、一緒に過ごす時間を楽しみたいと思っています。
図書館担当 大木
そうですね。
支えられる人なしには人間は生きていくことができません。
自分一人で生きていけるという人も周囲の手助けを自覚できていないだけです。
生を受けた時から死に至るまで人は人の支えの中で生きています。
折々に自分を支えてくれた身近な人やことを思い出すと分かります。
親や祖父母、近隣の人々はじめ、多くの人々が思い出されますよね。
社会性を持つ動物はお互いを支え合いながらはじめて生きていくことができます。
まさに「情けは人のためならず」です。
現代の都会生活ではこの支え合いの循環がうまく機能していません。
そのためか、育児に自信が持てなくて子どもを育てることに不安を持つ親が増えています。
支えてくれる誰かが傍にいてくれると感じられるだけで心を落ち着かせることもできるのです。
保育者を目指す本学の学生にはぜひその役割を担ってほしいと思います。
藤田