今日の心がけ~職員のスピーチ~
自分が乗ってわかること
2022.08.29
何事も、相手の立場になってみて初めてわかることがあります。
仕事においても、同じようなことがいえるでしょう。
ある介護施設で働いているSさんの話です。
Sさんは日頃、利用者の車椅子を押しています。
先日、自身が足を怪我してしまい、しばらく車椅子に乗って生活することになりました。
これまでは〈車椅子に乗っている人は楽でいいな〉と思うことがあったそうです。
ところが、自分がその立場になってみると、そうではありませんでした。
自動販売機で飲み物を一つ買うにも、人に頼まなければいけません。
また、自分が車椅子に乗っていると、〈今日は機嫌が悪いな〉〈イライラしているな〉と、押してくれる人の気持ちを、微妙な手加減で感じ取れるのです。
「右に曲がりますよ」などと声をかけてもらえると、楽なこともわかりました。
「車椅子を押している時には気づかなかったことに、気づくことができました。
貴重な経験でした」と語るSさん。
その気づきを日々の仕事に活かしています。
今日の心がけ◆気づいたことを仕事に活かしましょう
(『職場の教養』:一般社団法人倫理研究所より)
逆の立場になって初めて分かることがあります。
「あの人はいいよねぇ…」「楽そうだよねぇ…」となんだか自分ばかり大変で、楽そうに仕事しているように見えて、こう言ってしまったり、思ってしまうことがあります。
なんで自分ばかり大変な思いをしないといけないのだろう、と…
しかし、なってみると分かることもやってみると分かることも沢山ありました。
楽そうに見えているだけで、やっていることは大変だったり、いいなぁ・・・。
と羨んでいることも自分がその立場になってみると、逆の立場の人を羨ましい思うこともありました。
ちょっとした経験値しかない私ですが、なってみないと分からなかったこと、やってみないと分からなかったことがあるんだと、実体験を持って知ったこともあります。
最近、子どもに「お母さんは勉強しなくていいな~」と言われました。
その時、私が子どもに言ったことは、「お母さんは、同じように子どもの時には勉強してきたんだよ」逆に「子どもはいいな~。洗濯や掃除、ご飯を作らなくて…」と言い返しました。
そして、何となく、モヤモヤしたので、子ども達に私が毎日やっていることをやらせてみようと思い、祝日に私は出勤をし、子ども達に任せてみました。
朝から洗濯を干し、お昼も自分たちで用意し、日中は掃除機をかけ、夕飯もできる範囲で作ってもらいました。
私が帰宅すると、「今日は色々やって大変だったし、疲れた。」
「料理が一番大変で、何を作るかから考えて、必要な材料、切り方も考えなくちゃだし、すごく時間が掛かった。」
「見ている時は簡単そうで楽そうだったけど、大変だった」との感想がありました。
私が普段やっていることが楽ではないことが分かってもらえたようです。
相手の立場になってみないと分からないことがあります。
私も相手を羨む前に、自分がその立場ならどうだろうと考えて、行動・発言することと、気づきをもっと自分の仕事に活かしていきたいと思いました。
そして、学生には自分が辛い思いをした分、人に優しくなれる保育者になってほしいと思いました。
実習指導係 林
そうですね。
「馬には乗ってみよ人には添うてみよ」
「子を持って知る親の恩」
“Experience is the best teacher.”
このように経験をしなければ分からないということわざがたくさんあります。
仕事においても他の部署の仕事が面白そうで、楽そうに感じることもありますね。
しかし、物事は自分自身でやってみないことが多くあります。
その立場になって時にはじめて、そのたいへんさを感じ取ることが多いと思います。
本学ではこのようなことをなるべく少なくしていきたいと、事務局全員と部長職の教員が一部屋で仕事ができるようにしています。
相手の様子を見て感じることで、相手の仕事を手助けをするという積極的な気持ちがお互いに湧いているように思います。
もちろんそれだけでなく、マンネリ化しないように、相手の仕事を自分のこととして理解できるように、一定の年数で配置転換もしています。
幼児教育者を目指している本学の学生にはこの「やってみる」ことへ挑戦してもらいたいですね。
”Learning by Doing”はデューイの言葉ですが、やらないで分かったつもりになることはして欲しくないですね。
本学の教職員もできるかぎり、相手の立場に立てって物事を考えられるように、いろいろな経験を積み重ねていきましょう。
藤田