今日の心がけ~職員のスピーチ~

家族の一員

2022.07.08

Aさんの自宅には、一匹の金魚がいます。
名前は「金ちゃん」といいます。
七年前に、妻と当時六歳の息子が、初めてお祭りに行った時に、金魚すくいをして二匹を持って帰ってきました。
Aさん一家では、その日から二匹の金魚を飼い始めるようになりました。
金魚は一年ごとに大きくなり、二十センチほどに成長しました。
その後、Aさんは三年間、単身赴任の生活になりました。
時々家に戻っても、金魚に関心を向けることは少なくなってしまったのです。
ある日、Aさんが家にいる時、二匹いた金魚のうち一匹が死んでしまいました。
その金魚を見ていた息子が「お墓を作ってあげないといけないね」と、妻に話している声が聞こえてきたのです。
日々多忙で、家庭のことに関心の薄かったAさんでしたが、息子が金魚の飼育を通して、「いのち」の尊さを学んでいることに感動を覚えました。
そして、一匹になった金魚をその後も大切に飼育する息子の姿に、元気をもらっています。

◆今日の心がけ◆命の尊さを学びましょう
(『職場の教養』:一般社団法人倫理研究所より)

最近は、CMでも見かけることがあります.
可愛いからといって動物を飼い、大変になったからと手放す人がいます.
それは、動物の立場からすると、人間の勝手で振り回されていて、迷惑なことなのかもしれません。

やむを得ず泣く泣くという人は、本当に心が引き裂かれる思いで、辛いと思います.
そうではなく、すぐに買い換えられる物と同じように扱う人もいるようです。

動物や魚は、人間とは言葉が通じ合いませんので、実際どう感じて、何を思っているのかは分かりません。
ですが、親子や兄弟がやむを得ず引き離される現場を何度が見たことがありますが、その時の鳴き声や行動で、離されたくない、寂しいなどと思っているように感じます。

一度家族に迎え入れたら、情が湧き、その存在を大切に感じたりしますが、それは、人間だけではなく、動物や魚側にもあるのではないでしょうか。
人間も動物も、同じように地球上で生きている大切な存在です。
人間中心でものごとを考えがちですが、命は同じように大切で、軽んじてはいけないものだと、改めて思いました。
そして、このお話で息子さんが金魚の命を大切に感じ、その息子さんの命をお父さんが愛おしく思っているように、どこのどんな命も誰かにとっての大切な尊いものだということを、忘れてはいけないと思いました。

庶務係 大澤

そうですね。

モノは手に入れるのは意外と簡単ですが、保ち続けるにはそれなりの気配りが必要です。
特に生き物はそうです。
「生者必滅、会者定離」と言われ、高校時代に覚えた平家物語の一文が思い出されました。
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。
たけき者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。」
とは分かっていても、その時が来ないと実際に感じることは難しいですね。

また、社会性を持つ動物の離別はTVなどで放映されますが、見ていても悲しいものです。
いつまでも子供の死を受け入れられないで傍を離れようとしない母親の姿は特にそうです。

近年は人間の死を目の当たりにすることは少なくなりました。
かつては自宅の布団の上で次第に命の灯が消えていくのを見送ることができました。
その中で、命や死というものを崇高なものとして感じることができていたように感じます。

現在は残念ながらこのような機会は次第に薄れてきています。
反対にゲームの中での戦闘シーンがアタリマエのようになってきていることに危惧しますね。

人間も動物もすべてが自然の一部であり、命ある限りお互いを大切にすることで生きていくことができます。
そのためにも保育の中で動物を飼育したり、植物を育てたりすることで子供たちが生命の尊さと神秘を体験することは必要なことですね。
お互いの思いやる心と行動を大切にしている本学の保育者を目指す学生にこのことを期待したいですね。

これをアップしてくださいね。

藤田

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