今日の心がけ~職員のスピーチ~

卵の殻の行方

2022.06.25

ケーキやプリンなど、生卵を大量に利用する食品メーカーから廃棄される卵の殻の量は、年間二十万トンにも上るといわれています。
この食品産業廃棄物を再利用する方法はないかと思案を重ねた結果、新たな商品開発に成功したのが、佐賀県に本社を置くG社です。
もともと建設会社でしたが、社長のS氏は、仕事で訪れた菓子メーカーで山積みになった卵の殻を見て「私には宝の山に見えた」と振り返ります。
卵の殻は天然カルシウムが含まれ、土壌改良剤として使われます。
また、人体にもやさしく、粉砕すれば白い粉になることから、チョークや白線に使えるのではないかと、卵の殻を再生処理する新たな事業に踏み切ったのでした。
食品メーカーとしても、これまでお金を払って処分していた産業廃棄物を、逆に買い取って活用する会社があることは、渡りに船であったといいます。
現在では幼稚園、小中学校、高校など六千校以上が製品を利用し、さらには野球のピッチャーが使う滑り止めなどにも活用されています。

◆今日の心がけ◆ゴミと思えるものも有効活用しましょう
(『職場の教養』:一般社団法人倫理研究所より)

このお話しのように、それまではゴミとして扱われ、大量に発生して迷惑なものとされていたものが、今現在、みんながお金を払って買ったり、あると喜ばれる便利なものとして存在しているものが他にもあると思います。
例えば、ホタテやカキの貝殻は卵の殻と同じように、チョークや滑り止めに変身したり、大量の食品廃棄物はバイオガスになって、電気などの生活に欠かせないものに変身していたりするそうです。
身近なところでは、使用済みの封筒が再利用されていたり、大量に出るコピー用紙の箱が活用されています。
私が思いつかないだけで、身の回りや世の中には、もっと沢山あるはずです。
一度ゴミとして認識したものは、要らないものにしか思えませんが、このお話の社長さんのように、卵の殻が宝物の山に見えるように発想が前向きで豊かなら、世の中の色々なものが、もう少し大切に扱われるのかもしれません。
私達が育ってきた日本では、物が安く簡単に手に入り、一つの物を長く大切に使わず、飽きればすぐに買い換えることができます。
世界のどこかでは、私達がもう使えないし、古いし、飽きたから捨てる!と思ってる物が、届けられたらとっても喜ばれ、ありがとうと言ってもらえるような物だったりします。
テレビなどでその様子を見ると、何とも言えない複雑な気持ちになることがあります。
お金に変わるような活用方法はなかなか考えつかないかもしれませんが、封筒や箱のように、要らないものと思う前に、何かに使えないかな?他にも使えるところはないかな?と考えることは、私にでもできます。
物や食べ物が周りにあることの有り難さを改めて考えて、もっと大切にできるように、いきなりゴミではなく、一旦、有効活用候補という目で見ようと思いました。

庶務係 大澤

そうですね。
大量生産、大量廃棄はほんとうに限りある資源の無駄遣いに他なりませんね。
人が時間の短縮や便利さを求めるがゆえにこのようなことになっているのでしょう。

かつては、スーツなどもサイズを測り、仮縫いをし、そして完成するといった手間と時間をかけたものです。
そのため使用に当たっても手入れをし、永く使用していました。
現在は大量販売の店舗に入り、試着してOKであれば、そのまま店を出てくることもできます。
しかし、このために店には異なったデザインとサイズの服を揃えておかなければなりません。
その結果、「ファストファッション」といった言葉が創られるほど、気軽に手に入れ、気軽に廃棄するようになっています。
さらに、リサイクルやリユースされなかった衣料品の大量廃棄が環境問題となっています。

衣料品に限ったことではありません。
食品もその容器も同じことが言えますね。
ここでも時間短縮がこれらの廃棄問題を引き起こしています。

学校でも用紙をはじめ多くの文房具用品はじめ多くのものの見直しが必要となっています。

土から作ったものが土に戻れるようにしていかなければなりませんね。
手間さえかければ、使えないものは世の中にはないと考えています。
時間と手間を惜しむことから多くの問題が生じてきています。

本学は保育者養成機関です。
時間と手間をかけてゆっくりと「信頼される保育者」を育てていきましょう。

藤田

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