今日の心がけ~職員のスピーチ~
線香花火の物語
2018.05.14
夏の風物詩といえば花火です。線香花火は、
火がついてから落ちるまでの間に、
火花の様子が4回変わることをご存知ですか。
最初に、チロチロと膨らんで燃える様が「牡丹」です。
次に、パチパチと勢いよく音が鳴る「松葉」に変わります。
だんだん火足が下がるのが「柳」。
細い火花が1本また1本と消えていくのが「散り菊」。
これら4つの現象を経て、小さな玉になった火はポトンと落ちます。
この燃え方は、昔から、人の一生にも重ねられてきました。
この世に生を享け、すくすく育っていく様が「牡丹」で、
「松葉」は青春時代から働き盛りの時期。
人間的にも円熟味を増して「柳」になり、
最後は衰えて火が消えるというわけです。
1本の線香花火に使われる火薬の量は、
わずか0.07グラムほどだそうです。
耳かき2杯程度の火薬を和紙で撚って、線香花火は作られます。
その精緻な技術もさることながら、
そこに人生をなぞらえるあたりに、
日本的な感性があるのかもしれません。
今日の心がけ◆日本の夏を味わいましょう
(『職場の教養』:一般社団法人倫理研究所より)
線香花火といえば、みんなで一斉に火をつけて誰が一番長く
花火が続くかな~と静かにじっとして、よく花火の締めにしている
ことを思い出しました。
反対に花火大会でみる大きな尺玉やスターマインは圧巻で、
花火師の思いが込められているのを感じますが、
小さな線香花火にも人の一生を重ねて考えられていたことを
この文章で初めて知り、今年はこのことを思い出しながら
花火をしてみたいと思います。
大人も子供も楽しめる日本の夏を感じさせてくれるものは
他にも色々とあると思いますので折に触れて味わい、
そこにある作り手の意図も考えていきたいです。
教務係 田口宏美