今日の心がけ~職員のスピーチ~
たった一行のハガキ
2018.05.11
法事に出席した際、住職の法話の中で、このような言葉を耳にしました。
「若し子遠く行けば、帰りて其の面を見るまで、
出でても入りてもこれを憶い、寝ても覚めてもこれを憂う」
言葉の意味は「わが子が遠くに行っても、
親は、仕事のこと、健康のことなど心配しているのですよ」というものです。
この話を聞いて、Tさんは、両親が少しでも安心するように、
折に触れてハガキを書くようになりました。
やがて父が亡くなり、帰郷すた時のことです。
「お父さんは、お前からのハガキをいつも楽しみにしていたよ」と、
母親から聞かされました。
父親は、三年分のハガキを大切に保存していたのです。
◆今日の心がけ◆親の真意を知りましょう
(『職場の教養』:一般社団法人倫理研究所より)
出かけていて帰りが遅くなってしまった時に、
そんなに怒らなくても・・・と思うくらい叱られたり、
「どこに居てもいいから、連絡だけはして」ということを
言われた記憶があります。
その当時は「別にちゃんと帰ってきてるんだからいいじゃん。面倒臭いな。」
などと思っていました。
ですが、このお話を読み、自分自身が親のような年齢になってきたこともあり、
生まれてから親の目の届くところで遊んだり、生活をしていた子供が、
親から見えないところで遊ぶようになり、親の知らない人と知り合ったり
するようになってきたら、今頃どこに居るか、何をしているのか、
心配で仕方ないのだろうと思えるようになりました。
このお話のお父様は、そんな心配で仕方ない時に、
たとえ一行だけのハガキだとしても、
年に何度も子供の無事を確認できることが
嬉しかったのではないでしょうか。
最近は私の父も若くなくなり、私自身、逆に心配しているつもりになっていますが、
父からしてみればいつまでも私は心配の種で、
早く一人前になって欲しいと思われているのかもしれません。
私は父と同居していていつでも無事の確認はできますので、
このお話のようにハガキを書くことはありませんが、
できるだけ一緒に居る時は会話をして心配させないようにしていこうと、
改めて思いました。
庶務係 大澤