今日の心がけ~職員のスピーチ~
父とラッキー
2017.09.05
毎年二月になると、Mさんは二つのことを
思い出します。二月に亡くなった父と、
飼い犬ラッキーのことです。
銀行員だった父親は、五十代の後半に
癌を患いました。手術を受け、一命は
とりとめましたが、長期入院で痩せ細った
体を回復させるためには、リハビリを
しなければなりませんでした。
そのリハビリは、退院後も続きました。
将来への不安に悩む父の支えになったのが、
飼い犬のラッキーです。家族の勧めもあって
リハビリを兼ねて、散歩をするようになった
のです。
毎日一緒に散歩をするうちに、体を動かす
心地良さを知り、太陽の光や風を感じる
ことが喜びとなりました。「リハビリのため」
という思いがいつしか消え、ラッキーとの
触れ合いが、何より楽しくなりました。
この散歩は、父が亡くなるまでの六年間
続きました。「良い人生だった」と笑顔で
亡くなった父。ラッキーが死んだのは、
ちょうど一年後の同じ日でした。
人生の最後に、幸せな時間を共にしたことを
思うと、胸が熱くなるMさんです。
今日の心がけ◆動物と触れ合う時間を持ちましょう
『職場の教養』:一般社団法人倫理研究所より
不安に悩む支えになれるように一緒に過ごすことを
心がけています。当たり前のことを楽しむことが
喜びになっています。
病気になってしまった人は、不安に耐えながら
懸命に生活を送っています。前向きさや周りの人への
思いやりの姿を見るとその人の素晴らしさを感じます。
希望を失わないことが治療に向き合うためにも大切です。
病気になってしまった人には、様々な悩みがあり
多くのケアが必要になります。現代の医療は延命を
可能にしているそうですが、同時に価値を量なのか
質なのか考えさせられます。少しでも長く生きるという
一方で、苦痛に耐えながら本人の意志によらず
延命することに反対意見もあります。
死を意識すると人生を考えるきっかけになります。
悔いのない行動をしたいです。
事務局係長 田中淳一