今日の心がけ~職員のスピーチ~
虫の声
2017.02.08
「大方の 秋をば憂しと 知りにしを ふり捨てがたき 鈴虫の声」
『源氏物語』の「鈴虫」の巻に出てくる女三宮の歌です。
出家した後もなお、源氏との縁に思い悩む女三宮が、
鈴虫の声に自らの想いを託して詠んだ歌です。
「おおよそ秋(飽き)というものは辛く侘しいものだと
判っていましたが、それでも鈴虫の声だけは忘れてしまうのは
惜しいものです」という意味です。
日本をこよなく愛した明治の文豪・ラフカディオ・ハーン
(小泉八雲)は、「蟋蟀の鳴き声を聞いただけで、心の中に
ありったけの優しく繊細な空想をあふれさせることができる
日本の人々」と、日本人の感性と精神性に驚嘆しています。
西洋人にとって、虫の鳴き声は騒音にしか聞こえない
そうですが、古代の日本人は虫の鳴き声のみならず、
岩石や草木の言葉まで聴いていたことが歴史書『日本書紀』
などからもわかります。
秋の夜長を、つがいの相手を求めて鳴き続ける虫の恋の
歌に耳を傾けながら、命のはかなさ、尊さ、美しさに、
想いを馳せたいものです。
今日の心がけ◆自然の声に耳を澄ませましょう
『職場の教養』:一般社団法人倫理研究所より
年度末・年度初めの作業で、卒業する学生のこと、
入学する学生のことを考える機会があります。
入学した学生を対応していると卒業した学生のことを
思い出す事があります。
特に入学した学生には耳を傾け対応し作業するよう
心掛けたいです。
事務局係長 田中淳一