今日の心がけ~職員のスピーチ~
アクセント恐怖症
2016.05.24
Tさんは、勤続年数25年目にして、地元から東京支社へ転勤となりました。
今まで自分の言葉づかいを意識したことはありませんでしたが、
東京では言葉の意味が通じない時があります。
単語を発声する際は、音に高低があります。
「春」と「貼る」、「橋」「箸」など、
読み方は同じですがアクセントが違います。
東京に住み始めたころ、Tさんは「花」の話をしているのに、
相手には「鼻」の話に聞こえてしまうことがありました。
次第に、周囲の人と会話をするのが苦痛になってきたTさんですが、
ある日、同僚から
「Tさんは2ヵ国語が話せていいですね」と言われたのです。
それは、覚えたての標準語と、出身地のアクセントの事でした。
この一言から、「場所に応じてアクセントに注意しよう」
「生まれた故郷の言葉も大切にしよう」と考えるようになりました。
今日の心がけ◆故郷の言葉を大切にしましょう
(『職場の教養』:一般社団法人倫理研究所より)
独自のイントネーションやアクセントをもつ地元言葉やお国言葉は、
温かな響きが印象的で親しみがわきます。
本学のある羽生市の隣の行田市にも「だんべ」という方言があります。
文の終わりに付けて「~だろう」という意味になります。
以前は「だんべ祭」が開かれ、
多くの市民が「だんべ踊り」でパレードを楽しんでいました。
しかしそのお祭りも「浮城祭」と名を変え10年以上が経ちました。
お祭りの名前が消えたように、今では「だんべ」という言葉を
耳にすることはほとんどありません。
昔から使われてきたその土地ならではの言葉の中には、
標準語では表現しきれない絶妙なニュアンスが含まれているそうです。
その一方で、「超~」「マジ~」などの決まった言葉だけで、
コミュニケーションが成り立ってしまう若い世代も存在しています。
現在、本学の2年生が幼稚園へ実習に行っていますが、
実習前には園での読み聞かせのための絵本を借りに、
たくさんの学生が図書館へ来たそうです。
絵本を通して幼少期から
様々なバリエーションのある語彙をインプットすると、
豊かな表現力が身に付くそうです。
地元で親しまれ続けている方言や、時代とともに消えていく言葉や
変化していく言葉があることも、学生や我が子と接するときに
少しずつ伝えていきたいと思いました。
教務係 寺田