今日の心がけ~職員のスピーチ~
左様ならば
2016.05.23
日本語は日本文化の一つです。
日頃何気なく使っている言葉の語源や由来を学ぶことは、
日本文化を知り、日本語を大切に扱うことにつながるでしょう。
三月は出会いの月であり、別れの月でもあります。
この三月に、長年勤めた職場との別れを迎える人もいるかもしれません。
昭和初期のこと、
著名な飛行家であるチャールズ・リンドバーグ夫妻が来日した時のことです。
妻のアン・モローは、日本語の別れの挨拶である
「さようなら」に感銘を受けたといいます。
「さようなら」は「左様ならば」が略されて挨拶となった言葉です。
「左様ならば。そういうことであるならば。
ほんとうは別れたくないけれど、どうしてもそうならなければいけないのならば」
これが「さようなら」の語源であると知ったアン・モローは、
「これまで耳にした別れの言葉のうちで、このようにうつくしい言葉をわたしは知らない」と後に著書で綴っています。
今日の心がけ
◆言葉の美しさに思いを馳せましょう『職場の教養』:一般社団法人倫理研究所より
「さようなら」という言葉は次第に使われなくなってきています。
代わりに話される言葉は「じゃあ」「またね」「おつかれさま」「バイバイ」などです。
挨拶のうち「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」は使われていますが
「さようなら」だけが使われなくなっています。
「さようなら」には「永遠の別れ」のイメージになる、子供っぽい、小学校など
友達だと「じゃあまた」と言って、仕事では上司だと「お先に失礼します」、
同僚だと「おつかれさまでした」です。
「さようなら」に「別れ」のイメージが広がった可能性があると思います。
イメージの一つが「別れ」で、たとえば葬儀での出席者の挨拶で用いられます。
現代で「さようなら」が話されるのは、
先生が生徒や児童に帰りの際の挨拶をする場合
など一対多の場面にほぼ限られ一対一では、ほとんど言われなくなっています。
「さようなら」書き言葉としては残っているが、
話し言葉としては死語になりつつあるとみられています。
事務局係長 田中淳一