今日の心がけ~職員のスピーチ~
表裏のない対応で成し遂げる
2015.08.22
『職場の教養』(社団法人倫理研究所)「おもてなしの心」に書かれている
“おもてなし”の本来の意味は二つあるそうです。
一つは、表裏のない対応を心掛けること、
もう一つは、思いを通じて何かを成し遂げることです。
“おもてなし”というと、 接待的なイメージを思い浮かべてしまいがちですが、
そこには精神的な姿勢が問われているようです。
よくテレビ番組などで、
海外の先住民が撮影スタッフに食事でもてなすシーンが映し出されます。
これは、原始的な彼らにとって食事こそが最も貴重な物であり、
その中でも掛けがえのない家畜などを潰して振る舞うことは、
最高のもてなしであると言えます。
伝統的な名旅館が多く揃う京都では、
“京のもてなし”として、 「来者如帰」(来る者、帰るが如し)の
額をかかげている 老舗旅館があります。
これは、わが家に帰ったように寛いでもらうため、
という意味が込められているそうです。
旅館とは何か、
旅行のための宿、休憩すること、美味しい食事、気持ちの良いお風呂・・
いろいろありますが、集約しますと“寛ぐ”ことです。
“宿”とは、その場を提供することであり、
これが日本の伝統文化の精神なのかと思います。
本学のオープンキャンパスでは、 高校生のために、
ウェルカムコンサートがあります。
これは、大学での音楽教育の成果を通して、
学生がお客さまをお迎えするという、 大変素晴らしいもてなしかと思います。
大学は教育機関であって、 その本来の目的を意識したもてなし方とは、
このようなことなのかと思います。
海外の先住民、京の旅館、そして大学生、共通していることは、
それぞれが本筋を理解してお迎えすることが重要だということです。
そこには、欲を持って何かを成し遂げるのではなく、
下心や見栄のない気持ちが大切です。
せっかくの“もてなし”が独り善がりによって本末転倒とならぬよう、
大学人として、純粋な思いで対応を心掛けたいと思います。
今日の心がけ◆日常業務に真心を込めましょう
事務局 係長(進路支援担当) 中村 周