今日の心がけ~職員のスピーチ~
タイトル:春の気配
2014.11.20
天地に きざし来たれる ものありて 君が春野に 立つ日近し
平成24年2月に冠動脈バイパス手術をされた天皇陛下の回復を願って、
皇后さまが詠まれた御歌です。
皇后様は、手術の執刀を担当した天野篤医師の
「春になればきっとご回復なさいます」という言葉を信じて、
春の訪れをお待ちになりました。
御歌は、ある日かすかに春の気配を感じとられた時に、
〈陛下がお元気に春の野にお立ちになる日もきっと近い〉と、
心をはずませて詠まれたものです。
この御歌が平成25年の歌会始で披露された時、
天野医師は歌の中に「天野、あ、つ、し」と入っていることに気づき、
「偶然かもしれないが大変感銘をうけました」と語っています。
紀貫之は『古今和歌集』の仮名序で、男女の仲をやわらげて、
荒々しい武士の心も慰めるのは歌である、と述べています。
日本人の心ばえの優しさや美しさを、皇后様のこの御歌から学びたいものです。
◆今日の心がけ◆日本の伝統文化に親しみましょう
(『職場の教養』:一般社団法人倫理研究所より)
外国人からの日本人に対するイメージを尋ねてみると、
勤勉・親切・礼儀正しい・・・などプラスの意見が多いような気がしますが、
それに反して自己主張が下手などといったマイナスのイメージも少なくありません。
しかし、それが奥ゆかしく、日本人の美徳にもなりえる、
といった独特の価値観が存在するのも日本ならではのことでしょう。
特に古来より受け継がれてきた茶道や華道などの伝統文化では、
その日本人らしい心ばえの優しさや美しさを学び、表現できる場所だと思います。
国際社会において、自己主張や自己表現は不可欠ですが、
さりげない気配りや心遣いができる人材も貴重です。
私自身もこのようなことを心に留めて日々の業務に活かしていきたいと思います。
教務係 寺田