今日の心がけ~職員のスピーチ~
チュニジアの子ども・子育て調査へのささやかな夢
2014.01.22
本日(1月22日)、FD・SD活動として、元チュニジア全権特命大使・(現)日本チュニジア協会会長小野安昭様ご夫妻から、お二人の今までの人生のお話しを交えながら、チュニジアなどの様子をうかがう機会を得ました。
北アフリカにあり、イスラム教徒が多数を占めるというチュニジアは、実は女性の社会進出が日本の倍に及ぶのだそうです。独立した初代の大統領が、憲法に一夫多妻の禁止をいち早く書き込むなど、女性が大切にされ、社会的に非常に強い存在になっているとのことです。
私は、チュニジアの子どもの様子、大学時代に抱いたアフリカで猛獣狩りをしたいという大きな夢から始まった外交官生活とからめて今の日本の若者と大きな夢についてのお考え、の2つについて質問させていただきました。
お二人から丁寧にお応えいただきました。子どもたちは実に大切にされ、血縁が多数集まり週末を子どもたちと過ごし、街には異年齢の子どもたちが一緒に楽しく遊んでいるのだといいます。
小野様からは、イスラム圏に暮らす人たちは15億人、地球の人口の5分の1だともうかがいました。しかし、着目されることのない、アフリカ・アラブなどでも、子どもが大切にされ幸せに暮らしている社会があることをお聞かせいただきました。日本の子どもが大切にされ、子どもの笑顔が輝くためにも、まだまだ世界から学ばなければならないと思いました。
私が研究する教育や子ども・子育ての分野では、ヨーロッパに注目されることが多いものです。いかに私たちが世界のことを知らないのかを痛感する時間となりました。
私が以前参加させていただいた、厚生労働省の「児童館ガイドライン」を準備する研究会(児童健全育成推進財団)での大きな課題意識は、地域に見守られて、異年齢の子どもたちが一緒に遊び活動する街をどうしたら実現できるかというものでした。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/kosodate13/dl/kosodate-h.pdf
また、数年前から、早稲田大学の先生や韓国・中国からの留学生の方たちと、東アジアの子どもの放課後・子育て支援などの研究をしています。そして、2月には2度目の韓国調査に出かける予定です。
東アジアでも知らなかった驚くことがたくさんあります。しかし、それにとどまらず、さらにもっと広く世界の子ども・子育てについて調査研究してみたいと思いました。
長年の外交官生活に結実した小野様の大きな夢にはおよびませんが、私も、いつかチュニジアの子ども・子育て研究をしてみたいというささやかな夢を持たせていただきました。
40年会っていない小・中学校時代の友だち服部君が、たしかアラビア語を学んで国連で働いていることなども思いだしながら、とても実り多いお話を楽しく聞かせていただきました。
小野様ご夫妻、本当に素敵なお話を聞かせていただきありがとうございました。また、ぜひお話をお聞かせください。
特任講師 齋藤史夫