今日の心がけ~職員のスピーチ~
民謡の不思議
2021.12.20
民謡とは「民衆の間に生まれ、民衆の郷土の生活感情を素朴に反映した歌謡」と辞書にあります。
子守歌や遊び歌、作業をする時に疲れた体を動かす仕事歌、盆踊り歌など、郷土色豊かな様々な民謡が歌い継がれてきました。
その歌の中に、「囃子ことば」といわれる不思議なかけ声があります。
例えば、「ハア ヤッショ マカショ シャンシャンシャン」「ハア ヨーイ ヨーイ ヨーイトナ」といった、調子やリズムを整えるために添えられた言葉です。
こうした言葉を文字として見るだけではよくわからなくても、「花笠音頭」や「相馬盆歌」などの歌全体を歌ってみると、自然に「囃子ことば」が口をつくのではないでしょうか。
言葉そのものに意味はなくても、その歌の一部として、なくてはならない言葉が「囃子ことば」であり、私たち日本人に染み付いている、土着的なリズムなのです。
今日の心がけ◆郷土の伝統に触れてみましょう
(「職場の教養」一般社団法人 倫理研究所より)
「日本人に染み付いている土着的なリズム」について思い起こされたのは、日本の昔話の結句、むすび言葉です。
語り手が、お話が完結したことを聞き手に示す言葉で、日本の各地方で特徴が分かれていて興味深いです。
広く使われる「めでたしめでたし」は、ハッピーエンドのお話で使われる意味がわかりやすい結句です。
他には、広島県の「かっちりこ」、中国地方の「むかしこっぷり」、東北地方の「どっとはらい」「とっちばれ」「とっぴんぱらり」など、音の響きがおもしろいものが、数多くあります。
民謡の「囃子ことば」同様、言葉の意味自体は十分説明できないが、昔話を伝承するのになくてはならない固有の句であると研究され、理解されています。
学生は、「絵が地味」「方言が使われていて読みにくい」などの理由から、読みきかせの絵本として昔話を選ぶことが少ない傾向があります。
しかしながら、昔話には方言や語りのリズムを含めて、子どもたちをを惹きつける十分な魅力があるので、折に触れて、「昔話のすすめ」をしていきたいと改めて感じました。
羽生に伝わる昔話も、積極的に紹介していきたいと思います。
図書館 大木