今日の心がけ~職員のスピーチ~
我が家の「クロ」
2021.12.09
ある朝、Aさんは通勤途中で「犬を探しています」という張り紙を見ました。
犬の写真、名前や性別、特徴と共に、飼い主のメッセージが記載されています。
この種の張り紙を見ると、Aさんは昔の出来事を思い出します。
Aさんが小学生の時です。雨が降る日、家に1匹の犬が迷い込んできました。
その姿は、ずぶ濡れでひどく疲れているようでした。
近所の犬でもないようです。
とりあえず濡れた毛を乾かし、餌をあげ、一時預かることにしました。
預かるにしても名前がないと呼びにくいため、毛色から「クロ」にしました。
これまで犬を飼ったことがないAさんには、すべてが嬉しくてなりません。
散歩や餌やりなど、献身的に世話をしたのです。
まるで我が家の犬のようでした。
ところが1カ月後、飼い主が現われました。
Aさんの家から車で数分の、同じ町内の家の飼い犬だったのです。
名前は「クロ」ではなく「タロウ」でした。
Aさんにとって別れは辛いものでしたが、飼い主の喜ぶ姿に安堵しました。
今でも犬が大好きなAさん。
〈張り紙の犬も見つかるといいな〉と思っています。
今日の心がけ◆身近な動物を大切にしましょう
(『職場の教養』:一般社団法人倫理研究所より)
何度かこのような貼紙を目にしたことがあります.
私が子供の頃と今とでは、犬の飼い方が少し違ってきたと感じます。
私の家もそうでしたが、犬は番犬として屋外で犬小屋を構え、鎖で繋いだ状態で飼っている家が多く見られました。
屋外で飼っていると時々鎖が外れたり、散歩へ行くときに鎖からリードに付け替えるタイミングが合わず、脱走してしまった事がありました。
しかし、暗くなる前に必ず自分の犬小屋へ帰ってきていたのを覚えています。
今では、暑さや寒さ、また繋がれているというストレスだったり、フィラリアや感染症の病気も考慮した犬の安全や精神的保護も含め、環境の良くの屋内で飼っている家庭が増えてきています。
一般的に犬や猫にも帰巣本能があり、犬種によって差があると言われていますが、特に毎日同じコースしか歩かない完全な室内犬には、帰巣本能はないそうです。
迷子や災害、盗難などによって飼い主と離ればなれになった際に情報が読み取れるマイクロチップ装着の普及が年々増え、犬や猫のペットにまでIT化が進んでいることに関心を持ちます。
日本では、保護が間に合わず、まだまだ殺処分されてしまう現実があります。
こうした便利な機能を有効活用と人の優しさ・思いやりある行動で動物にとってもストレスのない世の中になることを望みます。
本文は、ほっこりし少し切ないAさんのお話でしたが、人間にとっても動物にとっても互いによい影響をもたらす関係でいられたらと思いました。
実習指導担当 栗原