今日の心がけ~職員のスピーチ~
お彼岸に想うこと
2021.12.07
作家の浅田次郎氏は、小説の登場人物の中に、異界からの訪問者をたびたび描くことで知られています。
その訪問者は、亡き祖父母や両親、夭折した子供や兄弟など様々ですが、いずれも比較的近しい縁の故人が、現実世界を生きる人間の前に現われて、何がしかのメッセージを伝え、再び異界へと去っていきます。
幽霊といえばおどろおどろしいイメージになりますが、市の作中に登場するそれらの故人は、多くの場合、物語の主人公を見守り、救いの手を差し伸べ、時に優しい言葉をかけるなどして、生きる力を吹き込む役割を果たします。
実際に耳目に触れるか否かはさておき、亡き人の存在が過去にあったからこそ、今の生活が成り立っていることは、自明の理ともいえるでしょう。
「秋分の日」を中日として、前後三日間は秋のお彼岸です。
この時期、先祖をはじめ、自社の創業者や物故者、また人生の恩人など、故人を偲びつつ、改めて現在の自分自身を見つめ直す機会としたいものです。
今日の心がけ◆個人の功労に感謝しましょう
(『職場の教養』:一般社団法人倫理研究所より)
自分の周りでも、祖父母や父をはじめ、親戚から同級生まで、知っている人でいえば多くの故人がいます。
その中で、近しい故人の存在というのは、私の人生への影響が大きく、そのおかげでこれまで生活をしてこれたと感じます。
直接的なやりとりはなくなってしまいましたが、それでも、もし生きていればこう言われるだろうなとか、これが好きだったなとか、日常生活の中で想うこともよくあります。
そして、亡くなってしまったからこそ、私はこうしていかなくてはいけないと思うこともあったり、故人の想いを絶やさず継いでいこうとすることもあります。
職場である埼玉純真短大においても、創立者福田昌子先生や初代学長福田敏南先生はじめご尽力いただいた先生が多くいらっしゃいます。
そういった故人を思い返す時間を持ち、感謝しながら仕事をしていきたいと思いました。
教務係 相馬