今日の心がけ~職員のスピーチ~
便利さに頼らない
2023.10.07
外出先で調べものがある時、スマートフォンを活用すれば、たいていのことは解決します。
社会人にとっては、手放せないツールとなっているでしょう。
知らない土地に向かう時、事前に現地の情報を調べずに、現地に到着してから「スマホ頼み」で、行動を開始するという人も多いのではないでしょうか。
Eさんは、出張で初めての土地に向かう際、電車の乗り継ぎ情報などは、スマホで確認しますが、現地での情報は意図的にスマホ頼りにしないといいます。
その理由は、「スマホに頼ると、街の風景や道を覚えなくなります。地元の人に尋ねながら、土地勘をつけるトレーニングをしたいのです」と言うのです。
例えば、初めての土地で昼食をとる際、何気なく入った飲食店が、地元の名店だったりすると喜びが倍増するのだそうです。
「一期一会が醍醐味」とも述べるEさんは、その土地での出会いを土産話に、社内での会話に花を咲かせます。
便利さが増していく世の中ですが、Eさんのように「あえて物に頼らずに、人頼みで行動する」ことで、土地勘を養うスタイルを学ぶのもいいかもしれません。
今日の心がけ◆人に聞いて疑問を解決しましょう
(『職場の教養』:一般社団法人倫理研究所より)
「スマートフォンは、常に手元に置いておく」
「メールやSNSの通知があると、すぐにチェックする」
「テレビを観ながらスマホチェックするなど、“ながら行動” が多い」
現代人の多くが、1日中スマートフォンやパソコンと共に過ごしています。
デジタルは、私たちの日常に欠かせない存在となっていますが、その一方で、デメリットも多いように思います。
特にスマートフォンは、肌身離さず持っている人がほとんどで、このような状況は、数十年前には考えられなかったことです。
今実習中の学生も日誌を書く時に、分からない漢字はスマホで調べて書いていたり、指導案もネットで調べれば内容の見本が出てきます。
便利な時代になっていますが、本当にそれでいいのか私も疑問に思います。
実習園の中には、実習の時には必ず辞書を持ってくるよう指示がある園もあります。
辞書で調べると、意味もすぐに分かると共に例文も載っています。
1ページの中には、沢山の言葉が載っているので、他の言葉も覚えるきっかけになります。
私が小学生の時は、紙の辞書に調べた言葉を付箋で貼って、付箋で辞書がパンパンになり、自分はこれだけの言葉を調べたんだと喜び、自信に繋がりました。
話が今回の内容とそれましたが、最近は知らない土地に行くこともなくなり、人に聞くことも減っていますが、たまには、Eさんのように物に頼らず、人頼みで行動する事ができたらと思いました。
実習指導係 林
そのとおりですね。
人間はアナログで生きているにも関わらず、現代はスマートフォンをはじめデジタル機器を頼りにしています。
「生きていくには何が重要?」との問いに「スマートフォン」と答えが返ってくるほどの時代になっているのです。
どこに行くにも、何をするにもコンピュータに頼らざるを得なくなっています。
人類が自然の一部の存在として生きていくためにはたいへん危険なことです。
アマゾンの密林の飛行機事故から救出された5人の子供たちが良い例だと思います。
確かに文明の利器であるコンピュータを利用することは良いのですが、依存してはなりませんね。
現在は多くのフェイク画像も音声ももそれと悟られないような精密さで創ることができると言われます。
人の表情も声も数分の情報があれば、本人そっくりに作成することができるそうです。
近頃は ”ChatGPT”の功罪が至る所で議論されています。
人がモノを考え、組み立て、表現する能力さえ奪いかねない状況なのです。
パンセの言葉に「人間の尊厳はすべてその思考の中にある。だからよく考えることに努めよう」とあります。
幼児教育者を目指す本学の学生が、人間は自然の一部であることを認識して保育にあたってくれると嬉しいです。
そのためにもここでも述べられているように実習や授業においても1冊の辞書の重要性を理解してもらいたいですね。
人が人として生きていくためにも、人の五感を大切にして生きていきたいものです。
藤田