今日の心がけ~職員のスピーチ~
「実りの秋に」
2023.09.05
毎年、十月十七日に執り行われる神嘗祭は、数ある宮中祭祀の一つで、その年の初穂を天照大御神に奉納し、五穀豊穣を感謝する儀式です。
またこの時期は、宮中に限らず、秋祭りと称されるお祭りが各地で開催されます。
規模や形式は様々ですが、基本的には神嘗祭と同様に、その年の収穫を祝い、神様に対して感謝をささげる事を目的としています。
これは豊作を願う春祭りや一年の無病息災を祈るお正月の諸行事などにも共通することで、本来、祭りは神様を「祀る」ことを土台にした、宗教的要素の強いものでした。
古来、日本には万物万象に神が宿るとされる「八百万の神」という考え方があり、先人たちはそれに対しての感謝を「祭り」という形で表しました。
その結果として、自然と共生を大切にした国を作り上げてきたのです。
実りの秋には全国各地で、郷土の伝統や歴史を再現した秋祭りが行われています。
参加する際には大自然の恵みにも意識を向けて、感謝を深めたいものです。
当たり前の事ではありますが、日の光が降り注ぎ風が吹き、水が流れ、木々が芽吹く、人間はその自然の中で生かされています。
その中のどれか1つが欠けても、私達の存在すら危ぶまれてしまうでしょう。
日本古来の「八百万の神」という考え方は、唯一無二の神をまつる海外の人々からは、奇異にうつることもあるようです.
しかし、万物万象には、神々が宿り、感謝しなければならないという神道の教えは、人にとって大切な根っこなのではないかと思うのです。
当たり前のことなどありません。
秋の祭りは感謝の祭りです。
改めて、自分の身の周りに感謝し、敬意を払い、日々を送り、秋の恵みをいただけるお祭りにも、ぜひ参加したいと思います。
食堂 五月女
そうですね。
春、五月頃に五月女(早乙女)のみなさんが稲の田植えをすることから、秋の収穫の喜びへと繋がるのですね。
なお、「五月女」さんは主に「栃木」「埼玉」「東京」「茨城」「千葉」の順に多く分布(Web氏名判断より)しているようです。
この稲の収穫を祝うことができるのも、まずは田植えがあってのことです。
全国各地でカラフルな衣装の早乙女が苗を植え、田の神さまに豊作の祈りを捧げる行事、「御田植祭」がありますね。
この「御田植祭」は田植えの時期には各地の神社やお寺で行われていたようです。
農耕を主とする民族は自身も自然の一部と考え、全てのモノに神が宿ると考えています。
インドネシアのバリ島に旅行した折に、このことを一層強く感じました。
全てのモノを大切に、全てのモノに感謝の気持ちで接するという人間にとって最も基本的で重要なことを実践しているのです。
現在、地球は温暖化によりいろいろな災害が起こり、食料問題も同時に発生して「人類存亡の危機」が言われています。
今、地球上で起きている様々のことからも、自然の一部である人間が自然を支配しようとしてきた残念な結果だとも言えます。
今一度、自然に感謝し、維持していくためにも、分限を意識した循環型の生活をしていくことが重要ですね。
藤田