今日の心がけ~職員のスピーチ~
食物を謹んでいただく
2023.09.05
食物は、生命を維持するために必要不可欠なものです。
普段、何気なく口にする一つひとつが、大自然の力や人の手を通して形となったものです。
日本の主食である米は、土づくりから、種まき、田植え、稲刈り、精米と、長い月日に亘り、手間を惜しまず育て上げられています。
米は神事のお供え物として、また様々な儀式や行事などともかかわりの深い存在です。
食事の際に挨拶をする「いただきます」の「いただき」とは、頭上に乗せる意味を表わした言葉です。
神仏に供えた物を飲食する際や、上位の者から物を貰う際に、頂きにかかげたことから、使われるようになったとされています。
そこには、感謝の意味が込められているのです。
私たちは、日々の食事にどれだけ感謝の気持ちを持っているでしょうか。
職場での昼食は、仕事と時間に気を取られて、感謝の気持ちが薄れたりしていないでしょうか。
私たちは、日々の食事なくして生きることができません。
豊かに実った穀物に感謝の心を向けて、食事をいただく習慣を身につけましょう。
◆今日の心がけ◆豊かな食生活への感謝を深めましょう
(『職場の教養』:一般社団法人倫理研究所より)
食事をする時に、生き物の命をいただくことへの感謝として、「いただきます」と言うというお話を、よく耳にします。
このお話を読み、「いただく」という言葉には、当たり前にあるわけではない大切な食材や、誰かの手によって時間をかけて育てられたものを、誰かの手で料理をしてもらって、今日も自分が食することができていることに対して、有り難さを示すために、高く掲げて感謝するという意味もあると知りました。
今は沢山のものや食べ物があり、家で誰かが用意してくれた食事を食べなくても、コンビニやお店で買ったり、飲食店へ行けば何でも食べることができます。
そのせいもあり、食事をする時に、今日も食事ができることに感謝をしている人は、少ないように感じます。
私自身、好き嫌いが多く、自分の食べたいものを好きなように食べるということをしているので、誰かに感謝して食べるということはあまり考えていませんでした。
ですが、その自分の好きなものは、誰が育てて、誰が運んできてくれて、誰が私の手に渡るようにしてくれてるのか、考えてみれば、沢山の人のお陰で口にすることができています。
この事に、感謝しかありません。
仕事でも、自分の手に渡ってくるまでに、色んな人の手によって必要なことが準備されたり、使いやすい形に揃えられたり、分かりやすいデータなどになっていたりすることが当たり前に日常的にあります.
しかし、これは、当たり前ではなく、前の行程の人が、次に関わる人が少しでも分かりやすいように、間違わないようになどと考えて、業務を行ってくれているからです。
そう考えれぱ、感謝の気持ちや言葉が自然と出ます。
これからは身の回りのことを当たり前にあるものと思わず、ちゃんと感謝できるように心がけ、物を沢山持ってて豊かなのではなく、人として心が豊かになれることを目指したいと思いました。
庶務係 大澤
そうですね。
感謝の気持ちを持って食事をすることは薄れてきているように感じます。
今の日本では食べることや着ることなどはアタリマエのこととして感じられているからかもしれません。
歴史的に見れば食料が極端に不足し、多数の死者を出す飢饉は世界中至る所で何度も起きています。
これらは自然災害だけでなく、戦争など人為的災害などから引き起こされています。
たった今でも、地球上ではアフリカやアジア地域をはじめ至る所で食料不足から多くの死者が出ています。
国連が発表する統計を見ても世界の飢餓人口は増え続けています。
SDGsでは「飢餓をなくそう」が掲げられていますが、果たして今のままで可能でしょうか。
この食糧危機は現在の日本でも起きていることもニュースなどでも報道されていますね。
「ありがとう」は、NHKの「美しい日本語」アンケートではベスト10のトップです。
2位以下は、「さようなら」「はい」「すみません」「おはようございます」となっており、すべて感謝の気持ちを含んだものです。
ちなみに「ありがたい」は「有難い」で滅多にないこと、アタリマエではないことの意味です。
食事をいただく折には、この意味でも「ありがとう」の感謝の気持ちを込めた「いただきます」「ごちそうさま」は重要ですね。
食べ物を口にできること、恵みを与えてくれた自然やこれまでに手をかけてくれた多くの人々など全てへの感謝の気持ちを込めて。
この大切さは以前、アメリカの敬虔なキリスト教徒のお宅にホームステイをしたときに思い知らされました。
ホームステイ先のMomとの食事時の会話で祈りの話になった折、「特にない」と答えた途端にMomの態度が急変したのです。
その窮地を救ってくれたのも「ありがとう」「いただきます」「ごちそうさま」の言葉を説明したときでした。
保育者となる本学の学生も、食事に限らずこれらの多くの感謝の言葉を大切にして生きて欲しいと思います。
藤田