今日の心がけ~職員のスピーチ~
見守る姿勢
2023.08.04
S氏の中学生になる息子が、夏休みに入った直後の事です。
規則正しくメリハリのある生活を送ってほしいと願うS氏は、夏休みの計画をしっかりと立てて、充実した生活を送るようにと伝えていました。
息子とは、毎朝六時に起床して、一週間で宿題を終わらせると約束しました。
しかし蓋を開けると、日々、夜更しをして、朝に起きることはなく、日中はダラダラ過ごす始末でした。
<今年もダメか>とその生活ぶりを落胆していました。
お盆に入って、帰省したS氏。久しぶりの父との話の中で、S氏が中学生の頃、夏休みは部活で汗を流し、家では寝ているだけの毎日に、親として不安を感じつつも、しっかり見守ろうとの思いでいたことを聞かされたのです。
当時、父と二人で会話する機会が少なかったことをS氏は思い出しました。
そのような中でも、自分の成長を信じてくれていたことに感激し、中学生の息子の父となった自分が、<信じて見守る姿勢が大事だ>と反省したのです。
<もう少し息子を信じてみよう>と、見守る姿勢を決意したS氏でした。
今日の心がけ◆信じる気持ちを持ち続けましょう
(『職場の教養』:一般社団法人倫理研究所より)
S氏の心配する気持ちが良く分かります。
子どもが宿題や勉強をしないままでいるのを「見守る」のは、親としてはなかなか難しいものです。
頭ではわかっていても、親子関係となると、実行することが難しいです。
親の不安や心配はグっとこらえて、子どもを信じる。信じて関わる。
「どうなってもきっとこの子は大丈夫。」「どうにかなっても私達がいる。」
親として、そんな姿勢で関わっていけたら、子どもの自主性は育まれ、自分で自分の人生を切り開いて、自分の足で歩いていけるようになるのではないかと思いました。
学生に対しても、大丈夫!!と信じて接していきたいと思いました。
そして、目標を達成できた時などは褒めて、自信につながる言葉がけをしたいと思います。
実習指導係 林
そうですね。
このことはすべての大人に思い当たることかもしれません。
夏休みに過ごし方は「計画的に」と先生からも言われ、親からも言われることにより、子どももその時はその気になります。
1日か2日は、朝6時には起きて、ラジオ体操の出席票を首にかけ近くの集会所に出かけます。
三日坊主とはよく言ったもので、3日目位になると起こされても起きられないのです。
1回くらいは休んでも皆勤賞は無理でも精勤賞はもらえるだろうと自分に言い聞かせます。
このように思ったときから生活は崩れてしまいます。
夏休みの課題である「夏休みの友」も毎日2ページ程度で終わるのですが、これができないのです。
絵日記も課題の絵や作文も同じです。
すべて「明日やるから」「後でやるから」「必ずやるから」で切り抜けた結果が悲惨です。
夏休み終わりの2日前から親がそばに張り付いて夜中までの試練の時が来ます。
毎日の天気や気温は近所の年上に尋ねて何とかなっても、他は自分でやらなければなりません。
泣きながら眠くて書いているためか読めない字が並んでいるだけです。
そんな夏休み明けの日は毎年、居眠り状態で学校に行った覚えがあります。
この自分の姿を思い出すと子どもを叱ることは難しくなります。
自分がどんなにたいへんだったことを伝えることだけが精一杯です。
後は子どもを信じる以外にありません。
叱るより、子どもが悔しい思いをすることで本人のためにもなるでしょから。
本学の学生を見ていても「ほんとうによく頑張っている」と感心させられます。
「今朝3時までかかったの」と言いながら毎日の課題をこなしているのです。
保育者を目指す本学の学生を信じることで学生は確実に成長していくのです。
さすがに保育者を目指すという目標をはっきりと持った学生は素晴らしいです。
目標・目的を見失わないかぎり学生は着実に歩み続けます。
その学生を信じて見守ることが我々サポート役の教職員です。
日本海軍の山本五十六元帥の名言が思い出されます。
*やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。
*話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
*やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。
藤田