今日の心がけ~職員のスピーチ~
先輩からの恩
2023.07.05
鉄鋼会社に勤める五十代半ばのNさん。
同じ職場に勤めていた七十代のかつての先輩が、最近足を骨折して入院したことを同僚から聞き、休日を利用してお見舞に行きました。
会うのは五年ぶりです。
先輩は訪問をとても喜んでくれました。
やがて懐かしそうにNさんとの思い出を語り始めました。
「君は入社した頃、営業の仕事を苦手にしていたね。
この先、仕事が勤まるのか、随分と心配したものだ。
しかし、お客様との応対に積極的になってからは営業成績も上がってきたね」
Nさんは、〈それは先輩のお陰です〉と思いました。
入社当時、名刺の渡し方や電話のかけ方に至るまで、営業マンの姿勢を一つひとつ導かれました。
時には厳しい指導があったからこそ、今の自分がある、と改めて思い返したのです。
一人で仕事を覚え、力をつけた人はいません。
多くの人の支えがあり、今の自分があります。
今度は先輩の教えを後輩に受け継ごうと思ったNさんです。
今日の心がけ◆時には入社当時の原点に立ち返りましょう
「職場の教養」(一般社団法人倫理研究所より)
このお題を読み、私が30年前、新卒で千葉県にある四年制大学に入職した当時を思い出しました。
開学時に入職しているため、先輩と言える方々は、大学設置準備室から引き継いできた異業種出身の方々ばかりで、いわゆる手本という仕事を教わった記憶はありません。
とりあえず、一期生の卒業生を出す完成年次に向けて前に進もうという雰囲気であったことは覚えています。
そういう一体感はありました。
先輩でもあり上司のトップでもある、文部省を退官してきていた事務局長からは、教員に教育の仕方があるなら、事務にも心得があると諭され、プライドを持って仕事に取り組むように教わりました。
本学にも、「保育者のための社会人基礎講座」という授業があります。
保育士や幼稚園教諭には、一般企業に勤める社会人とは違ったマナーがあると思います。
そういった姿勢は、先輩たちを見習って身に付けて積み重ねていくことに変わりありません。
今の本学は、経験豊富な方から仕事を教わる環境が整っており、教えることが不得意の私としては、ありがたい反面、この環境を持続させるため、常に学んでいかなければならないなと痛感しています。
教務係・中村 周
そうですね。
社会人のマナーやビジネスマナーなどは会社では新入社員に徹底指導します。
しかし、学校など教育機関ではあまりなされません。
お客に対してこちらが挨拶するのが一般的ですが、先生と呼ばれる職業の人は客から挨拶されることに慣れています。
自戒を込めて「先生と言われるほど・・・・」を意識しなければなりませんね。
本学では「保育者のための社会人基礎講座」を開講して社会人の基礎的マナーを学べるようにしております。
信頼される保育者になる前に、信頼される職業人、信頼される社会人なければなりません。
しかし教師や保育士など資格付与をし専門的職業人養成をしている教育機関では、どうしても専門科目が中心となります。
その知識や技術はある程度の時間かければ習得できますし、実習でも就職でも「すぐに役立ち、評価される」からです。
しかし、先生と呼ばれる職業のほとんどは最も重要な位置づけとして「人を相手にする」ことです。
人が人とスムーズに心地よく過ごすためには「マナーやエチケット」が重要なのですが、身につけるのには時間がかかります。
知識や技術を身につけても核の部分の人間としての部分が弱いモノであれば、すぐに崩れてしまいますね。
本学の学生は「明るい笑顔と大きな声で挨拶ができる」と外部の方々から高い評価を受けています。
保育者となっても保護者や同僚、子どもや地域の人々と良好な人間関係が構築できることが重要です。
そのためにも、我々教職員は「社会人の手本」となる立ち居振る舞いをしなければなりませんね。
藤田