今日の心がけ~職員のスピーチ~
虫の声
2023.06.27
「虫時雨 銀河いよいよ 撓(たわ)んだり」これは俳人・松本たかしの俳句です。
様々な虫たちの鳴き声に呼応するように、星空が撓んできたという意味です。
秋になると、鈴虫やコオロギなどの虫たちが、求愛のために鳴き始めます。
その声を聞くにつれ、〈秋が来た〉と感じる人も多いでしょう。
虫の声に風情や趣を感じるのは、日本人やポリネシア人などに見られる感性であることが、脳科学者の研究で明らかにされています。
また、外国で生まれた人であっても、日本語を母国語として育つと、日本人と同様の感性を持つことがわかりました。
この他の文化圏で生活している人々は、虫の声を聞いても〈虫が出している音〉と認識し、機械音や雑音と同じように感じてしまうというのです。
私たち日本人には、「虫の声」を認識できる感性があります。
時には星空を見上げながら虫の声に耳を傾け、深まる秋の風情を感じてみてはいかがでしょうか。
今まで気づかなかったことに、出合えるかもしれません。
今日の心がけ◆生まれ持った感性を磨きましょう
(『職場の教養』:一般社団法人倫理研究所より)
普段、聞こえてくる音も、人それぞれの感じ方や、聞こえ方が違うのはわかりますが、日本人と外国人でこんなにも違いがあることを初めて知りました。
そのため、カエルの鳴く音、スズムシの音などを聞いて季節を感じるのも、あたりまえだと思っていましたが、日本特有なものなのかも知れません。
虫の音のみに限らず、いつも聞こえている音にも改めて注意深く耳を傾け、日本人の感性を最大限に活かせるよう、過ごしていきたいと思いました。
学生係 田口
そうですね。
心地よく感じる音や色や香りは文化的環境によって大きく異なっていますね。
世界各地域の民族服装の色使いからもその特徴が明らかです。
音楽も地域や民族によってその民族音楽の演奏や楽器も異なり、感じ方も異なります。
日常的に目にしている色、聞こえている音、嗅いでいる匂いに心地よさを感じるのかもしれませんね。
視覚能力の違いによって見える物も感じ方も異なっているかもしれません。
「可聴域」の差によって心地よく感じられる音も違ってくるのかもしれませんね。
耳には捉えることの出来ない「超低周波」は不快感を模様すだけでなく人体にも影響を与えるそうです。
一方、耳には聞こえない「超高周波」は血糖値上昇抑制効果があるそうです。
何気なく耳にしている、耳には届かない音が人間に大きな影響を与えているのは不思議なことです。
ここまで出なくとも心地よく感じる色や心地よく感じるな音は胎児期から乳児期、幼児期にかけて学習されるのかもしれません。
産まれて間もない乳児も母親の声と他の人の声を聞き分けできるという実験結果も多く報告されています。
色の感じ方もどのような色彩環境で乳幼児期を過ごしたかが重要なのかもしれません。
このようなことからも学生が目指す保育者の役割がどのように重要であるかが分かります。
子どもがどのようにすれば良い環境の中で過ごすことができるかを考えた保育を願っています。
そのためにも学生が良い環境に囲まれているようなキャンパス造りはさらに重要になってきます。
藤田