今日の心がけ~職員のスピーチ~
息子の言い分
2023.06.14
Sさんが「ただいま」と家に帰るなり、妻から「あなた、聞いてよ。またMが学校で問題を起こしたの。何とか言ってよ」と言ってきたのです。
<またか>と思いつつ、「M、来なさい」と呼び出して、Sさんの前に座らせ、「また、問題を起こしたらしいな。何でいつもそうなんだ」と説教を始めました。
すると息子から「父さんはいつもそうだ。自分の話を聞かずに一方的に怒ってばかり。何にも知らないくせに」と言われてしまいました。
息子の言葉に驚きつつ、<確かに、最初にMの話を聞いていなかったな>と思い、まずは話を聞くことにしました。
話を聞いてみると、息子だけが悪いのではなく、他のところにも問題があるのかもしれないと気づかされたのです。
そして「M、悪かったな。今まで、お前の話を聞かずに怒ってばかりで。今回の件はお父さんが先生にちゃんと話をするからな」と息子に詫びました。
息子の話をしっかりと受け止めたSさん。
職場でも部下や後輩の話を聞かず、一方的に自分の意見を押し通していたことを、改めていこうと決意したのでした。
今日の心がけ◆相手の話をよく聞きましょう
(『職場の教養』:一般社団法人倫理研究所より)
今回の話は、私の家でも実際にあった内容のため、耳が痛かったです。
学校から問題を起こしたと報告があり、やってしまったという事実だけで悪いと決めつけて、注意をしました。
その時「どうせ話しても、僕が悪いって言うでしょ。」「先生も同じだよ。」と言われハッとしました。
よく話を聞くと、しっかりと理由があり、こどもも困っていたことが分かりました。
ちゃんと話を聞いてあげられなかったこと、受け止めてあげられなかったことにとても反省し、謝りました。
その後、学校へ報告しました。
「しっかり受け止めてもらえない」という感覚はこれからの人との関係にも影響すると思います。
親以外の人間関係に影響を及ぼすのではないかと思います。
それからは、こどもの話をしっかりと聞こうと決めています。
そして、最も気を付けていることは、話をしている途中で遮らないようにしています。
自分の思い込みで話を変換しない努力が大事だと思います。
こどもは4年生の時が一番大変でしたが、私自身、話をしっかり聞こうと努力したことで、5年、6年ととても落ち着きました。
努力は伝わるものです。
努力が見えるだけでもこどもは信頼・安心すると思いますので、これからも態度で示していきたいです。
実習指導係 林
この問題はどの家庭でも、組織でも起こることです。
この分中の親は子供の話に耳を傾けようと気づき、実行したことは素晴らしいと思います。
日本では子どもの言い分も十分に聴くことをせずに体裁を重んじて子どもに対応するケースが多いのが現実ですからね。
しかし、子どもの自尊心や自己肯定感を高めるには、子どもの主張にもじっくりと耳を傾けることが重要です。
そして、子どもに寄り添い、子どもの意見や言い分を尊重し、子どもをサポートすることができれば最高です。
子どももこのような親に対しては安心感と信頼感、そして誇りを強く抱くことができるでしょう。
その結果、子どもたちも自ら考え、結論を出し、行動に移すことが当たり前としてできるようになるでしょう。
このグローバル化が言われて久しい現代において、自らの考え、意見を述べることは生きるために重要なことのひとつです。
そのような子どもを育てるためには、この文中の2人の親のような姿勢や態度が重要だと思います。
子どもにとって親を尊敬できること以上の喜びはありませんし、親にとっても同じです。
そのために親は子どもを信頼し尊重した態度で接しなければなりません。
役割期待と言われるように、人は相手が求める自分への期待に沿って動こうとします。
自分に期待している人に対してはその期待を裏切ることのないように行動したいと考えますし、その逆もあります。
いかなる時でも、いかなる場でも、それぞれは正しいと思って行った行為には必ず意味があります。
一方的な大人の目線での判断は子どものそれとは異なります。
本学の学生もいずれは保育者としてそのようなことに日常的に遭遇する立場になります。
学生がそれをアタリマエのこととして対応できるように、教職員は学生を信頼して話を聴くことをこれまでどおり続けていきましょうね。
藤田。