今日の心がけ~職員のスピーチ~
マルチタスクからシングルタスクへ
2023.04.20
融合脳統計科学を研究する東北大学教授の川島隆太氏は、複数の作業を同時に行なうマルチタスクの危険性を提起しています。
「私達の脳は基本的に、単一の課題をこなすシングルタスクを行なうように設計されている」と述べる川島氏。マルチタスクによって脳に多大な負荷がかかり、一つひとつの作業の正確性や効率性などが犠牲になるというのです。
繁忙期などは同時進行で業務に取り組む必要性も出てくることでしょう。
しかし、集中力を欠き、それぞれの仕事が中途半端になってしまう危険性があります。
忙しい中にも作業の優先順位を明確にし、一つひとつ丁寧に取り組むことによって、着実に業務が進み、良質なサービスを提供することができるのです。
スマートフォンを操作しながら食事をしたり、パソコンで作業をしながら後輩の話を聞くといった「ながら」作業をしていないか振り返ってみましょう。
ゆっくり味わって感謝して食べる、耳を傾けて話を聞くというように、目の前のことに集中し、充実した毎日を送りたいものです。
今日の心がけ◆一つひとつの作業に集中しましょう
(『職場の教養』:一般社団法人倫理研究所より)
複数の項目や作業を同時に進めるマルチタスクは、多くの職種において必要であり、求められるスキルだと思います。
優先順位のつけられない複数の業務を同時に処理していくには、頭の中で複数の内容を切り替えながら進めていかなければならないため、脳に負担が生じてしまいます。
また、業務内容が中断されることで集中力が途切れてしまい、次の業務に切り替える時間を要するので、複数を同時に進めるということは、切替の時間が複数あるということになり、その切替時間が結果ロスタイムになっていると考えます。
このロスタイムが知らず知らずにストレスとなり、心の余裕を無くし、ミスに繋がったり、関連部署へも遅延などマイナス方向へ影響することに成りえます。
仕事の種類にもよると思いますが、身近なところでメールのチェックや単純な作業は切り替えのできるマルチタスクで進め、資料作成や立案など打合せも含めた思考力が必要な業務は同時進行ではなく、可能な限りシングルタスクで進めていくことが望ましいと思います。
どの仕事でも一つひとつの内容を一点集中で進めることがベストですが、本文にもありました繁忙期などの同時進行で取り組まなければならない時は、最大限に注意を払い、丁寧にそしてより集中して熟していくことが大切であると改めて思いました。
実習指導係 栗原
そうですね。
人は生まれつき不器用にできていて同時に二つのことをこなすのは難しいとされています。
ですから物事を成し遂げる人は「一所懸命」に一つのモノに取り組み完成させます。
欲張って何かを得ようとする場合は、「二兎を追うものは一兎をも得ず」となり、何も得られません。
自分では効率的にやっている「ながら族」と言われる人があまり成果をあげられないのもこのことからかもしれません。
これは運転中に電話などで話しているときの状況などで感じることができます。
前を見て運転しているつもりでも、どの道を通って、どのようなものが通った道にあったかなどを憶えていません。
「片手間仕事」は集中していませんからできたと思っても完全ではありません。
気持ちも、時間も、労力も十分でありませんから当然です。
これを時間節約になったと勘違いしている人が多くいるのが残念です。
同時進行をうまくこなすためには片方を止めて片方に集中するといったメリハリをつけることが重要です。
仕事のプライオリティ(優先順位)をきちんとつけられる人が的確に時間を配分しているからできることなのです。
ここでは2つの仕事もうまく気分転換も図りながらこなしているのですから仕事効率もあがります。
仕事が一度に集中した時こそ、プライオリティを的確に判断することが重要です。
仕事の効率が良い人とは、このようなプライオリティを確実にすることができる人を指すのです。
課された仕事への手を抜いて、時間の過ぎ去るのを待っている人ではありません。
そのためにも仕事の好き嫌いで手を抜いたり、見ないふりをしたりするのではなく、集中して一つずつ地道にこなしていきましょう。
信頼される保育者を目指す本学の学生には、ぜひこのプライオリティをつけることのできる能力を身につけて欲しいですね。
信頼は「地道な努力」「継続する」「約束を守る」などのひとつ一つの積み重ねから生まれてきます。
藤田