今日の心がけ~職員のスピーチ~
下心
2023.02.21
天雲の たなびく山の 隠りたる 我が下心 木の葉知るらむ
この歌の作者は、柿本人麻呂です。
古くは『万葉集』にも登場する「下心」という言葉は、本来は、「心の奥底、本心」といった用い方をされていました。
「下心」が現在のような「私心」の濃い意味合いを持つようになったのは、江戸時代頃よりと言われています。
私たちは多少なりとも、他人に認められたい、誉められたいという願望を抱きながら日々の生活を営んでいます。
仕事ともなれば、その感情は時と場合によって表われてくるものでしょう。
しかし、見返りや自分の利益を求めるようなスタンドプレイは、意図せず周囲に迷惑をかけてしまうことも、屡々あります。
大事なことは、一呼吸おいて「その時の心、自分の本心」を見つめてみることです。
「その行ないが、誰のためになるのか」という方向性を知ることです。
私心に走らず、相手へ向けた真心からの行いは、やがて大きな波となって自らに返ってくるでしょう。
そうすることが、幸せへの第一歩です。
今日の心がけ:自分の心の奥底を見つめましょう
「下心」:秘かに思っていること、見返りを求めるような邪な考え
「私心」:一個人の考え、自分の利益だけを考える心、自分だけの考え、利己的な考え、とも言われる。
文中にあった「その行ないが、誰のためになるのか」をよくよく考え、物事を行ったのちに自省し、客観的に考えることを繰り返していくことで、自分の生き方や、何をすべきかということが見えてくると思います。
ヒトは我欲の塊、すぐ煩悩の虜になる、等悪い部分もありますが、そのような邪心もあれば、小さな親切や相手の立場に立てる等、善心も併せ持っています。
「誰かのために」を行える理性がある生物なのです。
例え無意識下であってもそうです。
世の中は、関連が無いと思うことであっても、輪廻のように巡り巡っているので、多かれ少なかれ、遅かれ早かれ、どこかしらで関連があるものです。
「誰のために」を皆が考えていけば、戦争を繰り返したり、ミサイルで他所を脅かしたりするのではなく、平和のためのインフラを構築したりができるのです。
以上
出展(『職場の教養』:一般社団法人倫理研究所より)
進路支援担当 奥貫
「下心」とは、表に現れない秘められた心の部分を指すのでしょうね。
全てのモノに、上下、左右、表裏が存在します。
それがなければ、そのもの自体が存在しません。
人に対しても、モノに対しても表裏同時に使って対します。
その裏表が支え合うものであれば力を倍以上に発揮します。
反対に引き合うものであるならば、力はないものとなります。
人だけでなく、全てのモノは相手により良く捉えてもらいたいと行動します。
繁殖行動における鳥や花が顕著です。
捕食においても明らかに相目立ち手に関心を持ってもらう行動をとります。
ですから「下心」が一概に悪いモノとは言い切れません。
下心の支えでシナジー(相乗)効果が得られると最高ですね。
「天知る 地知る 我知る 人知る」と邪悪なものを避けたいものです。
未来を創る子供を保育する本学の学生が正しい心で正しい行いをしてくれることが一番です。
草花への水やりと同じように「薬」を「毒」とすることのないように正しい使用が重要です。
そのためにも、サポート役の我々教職員の行動が重要となります。
藤田