2011
11.01
暖かさと優しさの一日
今日も学生たちが花に水をやっているのを、
それも楽しいそうに、![]()
いとおしそうに水をやっている姿を目にしました。
このところ毎日のようにこのような学生の姿を目にしています。
ほんとうに嬉しいことです。
この優しさをもって、
将来子どもたちに接してくれれば、
どんなに素晴らしい先生や保育士になることだろうと、
学生たちの将来の姿を思い浮かべ、
思わず微笑んで「ありがとう」と声がけをしました。
一人の学生が
「学長先生、これできました」と
ニコニコしながら部屋に訪ねて来ました。
「はい、これです。お父さんからです!」と
満面の笑顔で、一冊の本を差し出してくれました。
黄色の下地に子どもたちが木登りをしている
優しいタッチのステキなイラストの表紙です。
「何か、昔の子どもの頃を思い出すね。」
「これもお父さんが描いたんです。」
「これも?」
「この本はお父さんが書いたものです。やっとできました。」
以前、
絵里さんという学生から
「お父さんが、先生が話した言葉を・・・」と尋ねられました。
「こどもにとって、最大の教育環境は教師である」
この本を開いた途端、
素晴らしい言葉が目の中に飛び込んできました。
長い教育経験に基づいた内容に思わず引き込まれてページをめくりました。
ちょうど、
来年入学してくる学生対象の入学前教育「プレカレッジ」で、
倉橋惣三先生の「育ての心(フレーベル新書)」から、
少し話したいと準備をしていたところでした。
学生がいとおしそうに花に水をやっている姿と
柳瀬先生の著書に接して、
この「育ての心」からの一節が強く胸に響いてきます。
「育ての心。そこには何の強要もない。無理もない。育つものの偉きな(おおきな)力を信頼し、敬重して、その発達の途に遵うて発達を遂げしめようとする。役目でもなく、義務でもなく、誰の心にも動く真情である。しかも、この真情が最も深く動くのは親である。次いで幼き子等の教育者である。」
「人間を人間へ教育しつつあるということは、われ等の、一日も一刻も忘れてはならないことである。また此の信念に於いてのみ、われ等の日々の業務がほんとうに意味づけられる。」
今日は11月に入ったというのにまるで初秋の暖かさです。
暖かさは、人の心も温かく、優しくしてくれるのでしょうね。
温かさは、人の心で感じ取ることなのかもしれませんね。
学長 藤田利久



