2021
03.04
FD&SD研修会 掘越紀香先生(国立教育政策研究所,幼児教育センター,総括研究官)「幼児教育の質向上を目指す」
どの組織でも研修会が行われますが、大学や短期大学では、教職員の学びと連携、また 職能向上のための機会として、FD&SD研修会を行っています。
本学では、各組織の今年度の取り組みや、各種アンケート結果をもとに考察したことを 共有し、よりよい大学運営ができるように意見交換を行っています。更に、新たな視点や 学びを得るために外部講師をお招きした研修会も開催しております。
今年度はコロナの影響もあり、外部講師をお呼びすることが躊躇されておりましたが、
令和3年3月3日 桃の節句の日に、めでたくご講演いただくことが叶いました。
今回は、国立教育政策研究所幼児教育センターの総括研究官、掘越紀香先生をお招きし、「幼児教育の質向上を目指す」と題した講演会を開催しました。掘越先生は、現場に足を運ばれ、様々な研究を行いながら、子ども達や現場の先生方のためにご尽力なさっています。
講演では、OECDの調査結果から日本の先生方の幼児教育における意識と他国の先生方の意識の共通点と相違点、やりがい、困り感などを知ることもできました。
また、幼児教育の専門性とは何か、専門性を育む手立てとしての「保育カンファレンス」の重要性も知ることが出来ました。
養成校の役割として、学生を育てていくことを重視しながらも、これからはリカレントを含め、現場の先生方と協同して語り合う場を設け、幼児教育を応援していくことも重要なのだということに気づかされました。
特に、カンファレンスの説明にある「正解や意見の一致を求めず、多様な意見をつきあわせ、すりあわせていくことによって、それぞれ自分の考え方や枠組みを再構築していく学び合いのスタイル」という部分に、とても共感しました。
それぞれが「語る」こと「聞く」こと、意見を躊躇せず出し合い、完全一致を求めたり、正解を作ったりすることなく、それぞれの力にしていく場をファシリテーターとして提供していくことが、今後求められてくるのだと思います。様々な園の先生方が、自らの園での事例を語り、相談し、意見を出し合い、それをもとに解決策を見出していくような機会を、今後本学でも提供していき、それが学生や教職員の学びに還元されていくようなイメージが見えたように思いました。
「上から教える」のではなく、「一緒に歩む」「集う場を設ける」ファシリテーターとしての養成校の重要性についても再確認しました。また、掘越先生も研究者として、更にファシリテーターとして、多くの先生方を支えられているのだと思いました。
感銘を受けた部分はまだまだ尽きませんが、とても学びの多い研修会で、あっという間の時間でした。お忙しい中お越しくださった掘越先生に、心より感謝しております。
本学は、羽生の昔話を集め本にして残してこられた掘越美恵子様(紀香先生のお母さま)にも大変お世話になっています。そのご縁もあり、掘越先生のご講演を拝聴することができました。このご縁にも感謝しております。
研修会での学びを活かして、本学がより質の高い学びを学生たちにも提供し、幼児教育に貢献できる組織になれるよう教職員一同、尽力していきたいと思います。
FD&SD推進委員会 委員長 細田香織