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半世紀の経験でもまだまだ半人前

50年間、鯉のぼりを描いてきましたが未だ半人前です。一人前になるには一生では足りませんね。三生は欲しいですね」と語ってくださった【株式会社 橋本弥喜智商店】の橋本社長さん。70歳を超えても未だ現役として鯉のぼり制作に挑戦を続けておられる姿に学生たちは圧倒されっぱなしでした。

橋本鯉(恋)のぼり1 橋本鯉(恋)のぼり2 橋本鯉(恋)のぼり3

橋本社長は、体長100m、重さ350kg、体腔40m、目の大きさだけでも10mというあのジャンボジェット(B747型機)より大きな鯉のぼりを手掛けた方です。

今でも「ベッドの脇にはペンとメモ用紙を置いて、風呂場では家族を呼んでは、ふと思いついたアイディアを鯉のぼりに活かせないかと考えを描きとっている」とのお話にただただその追い求める若さと情熱に学生たちは驚きの表情を止めることができませんでした。

その橋本社長が今でも「師匠」と呼び、追い求めているのが、江戸時代末期の浮世絵師安藤広重(「東海道五十三次」など)の「名所江戸百景 水道橋駿河台」の鯉のぼりのだそうです。その鯉のウロコの色一つにしても30種類からのグレーの顔料を作り、濃淡をつけ、活き活きとした躍動感のある鯉のぼりがやっと仕上げるのだそうです。

制作部屋でのお話は2時間も続き、橋本社長が作品の鯉のぼりを生きているものと同じようにいかに愛情をそそいでいるかがひしひしと伝わってくるようでした。

学生たちもお話を伺って
私たちも社長さんを見習って、もっともっと頑張っていかなければ」、
橋本社長さんは私たちより若いと感じました。私ももっと若さの力で、子どもから慕われ、保護者から信頼され、先生からも安心される先生になれるようにガンバっていきたいです」、
私はいつになったら半人前まで届くかどうかわかりませんが、今日の橋本社長さんの言葉を忘れずに、毎日を過ごしていきたいと思いました
など、橋本社長さんのお話に「目からウロコが落ちたようです」の言葉どおりかなり刺激を受けたようでした。

橋本鯉(恋)のぼり4 橋本鯉(恋)のぼり5 橋本鯉(恋)のぼり6

学生もこれから先生と呼ばれる職業に就いた時にはこの橋本社長のような「熱と思い」をもって子どもにもあたってくれるものと信じております。

橋本鯉(恋)のぼり7 橋本鯉(恋)のぼり8

本学の学生のこのような素直さと真面目さは先生なるに重要なことだと考えていますので、橋本社長に出会い、お話を伺えたことはほんとうに幸運なことだと感謝しております。

学長 藤田利久

株式会社 橋本弥喜智商店

半世紀の経験でもまだまだ半人前

2013.02.21

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