
2015
11.18
埼玉純真短期大学 第5回特別支援教育・発達障がい研究セミナー
子どもの思いに寄り添う
~発達障害のある子の教育・子育てに学ぶ~
平成27年11月7日(土)研究セミナーが埼玉純真短期大学で開催されました。
138名の参加者があり、盛大に行われました。
○午前中は講座が3カ所で実施されました。
講 座1 10:00~11:30「他者理解(障害理解)と自己理解の一助として」
~心に響く“絵本の読み聞かせ”の可能性~
埼玉純真短期大学特任講師 細田香織
障がいを描いた絵本の読み聞かせを通して高校生たちが何を思ったか。感想集から読み聞かせの可能性を考え、様々な絵本の説明を通し、絵本が子どもに与える教育的な効果の話がありました。参会者の皆さんの絵本との出会いの発表もありました。
「ありがとうフォルカー先生」「わたし」「ぼくどこにでもいるカバです」「やさいのおなか」「ねえ、どれがいい?」「さっちゃんのまほうのて」「たまごにいちゃん」等々
絵本の魅力を学ぶことができました。
講 座2 10:00~11:30「音楽・音を楽しむ授業づくり」
埼玉純真短期大学教授 小澤和恵
発達支援教室ビリーブ代表 加藤博之
音楽は、脳・感情に直接はたらきかけ、ノンバーバルなコミュニケーションが可能です。音楽の効用を考え、気になる子を含む保育・教育現場でできる音楽活動のひと工夫を提案しました。ビデオの視聴やワークショップを通して参会者の皆さんは、音楽の楽しさを体験しながら学ぶことができました。
講 座3 10:00~11:30「合理的配慮を目指す支援とは何か(事例研究)」
埼玉純真短期大学准教授 稲垣 馨
「インクルーシブ教育システムの構築」を目指す中で、今後どのような支援を目指すべきなのでしょうか。具体的な事例を参会者の皆さんから提供いただき、必要な支援の在り方を話し合いました。実際に今抱えている子どもの事例で話し合いが行われ、皆さん貴重な時間となりました。
○午後は実践報告会がありました。 13:15~14:00
「通常学級で気になる子を支える支援方法と校内体制づくり」
~ユニバーサルデザインを生かした授業づくり・学級づくりの提案~
八潮市立大瀬小学校教諭 柳橋知佳子
どの子も授業に参加し、分かるようにするためには、どのような工夫を行ったらよいか、沢山の事例が発表されました。時間が足りないくらいでした。参加なさった皆さんは食い入るように柳橋先生の実践をみていました。どの子も安心できる過ごしやすい学級づくり、人的環境・教室環境づくり、校内支援体制の具体的な提案次々と実践の紹介がありました。
○最後に、講演会がありました。
「通常学級の「特別」ではない支援教育~学級経営と授業のユニバーサルデザイン~」
植草学園短期大学教授 佐藤 愼二
通常の学級での授業のユニバーサルデザインは、配慮を要する子どもには「ないと困る支援」であり、どの子どもにも「あると便利で・役に立つ支援」を増やします。その結果、全ての子どもの過ごしやすさと学びやすさを高めます。授業のユニバーサルデザインの基本的な考え方と実践上のポイントを具体例を含め分かりやすくお話しいただきました。
実技あり、笑いあり、学びありの、アクティブなお話になりました。「あっ!」という間の講演会でした。参会者の方がアンケートに書いたその声は「おもしろく、楽しく、分かりやすい素敵な講演でした!」と絶賛の内容でした。
第5回目になり、このセミナーは地域にしっかり根付きはじめています。
伊藤