ピンクリボン「生命の授業」を開催しました

10月は乳がんの早期発見・早期診断・早期治療の重要性を伝えるピンクリボン月間です。10月最初の1年生入門ゼミⅡの授業では、くまがやピンクリボンの会から3名の講師を お招きし「生命の授業~サバイバーが話すがん教育~」を開催しました。

3名の先生方はご自身、ご家族ががんと向き合ってきたご経験から、学生たちに「生命」について考えるきっかけとなるたくさんの言葉を、心を込めて伝えてくださいました。

まず初めに、乳がんを経験されたことのある栗原先生から、がんの基本的な知識に加え、サバイバー差別などがん患者が抱えている苦悩についてお話しいただきました。

日本は 2人に1人ががんに罹患する“がん大国”と言われており、実は誰でも毎日5千個程のがん細胞が体の中で作られているとのこと。しかし、私たちの体にはそれと戦ってくれる免疫細胞があり、その免疫細胞を活発にしておくことで体を健康に保つことができるのだそうです。そして、その1番の方法が「笑うこと」であると教えていただき、講師の先生方の元気な笑い声につられ、会場全体が笑顔で溢れました。

 

 

次に、同じくご自身が乳がんを経験された中島先生から、がんを経験したからこそ得る ことのできた「キャンサーギフト」についてお話しいただきました。

お子さんのいる状況で乳がんと診断された時は不安と恐怖でいっぱいだったとのこと。しかし、そんな時に思春期を迎えて話す機会が少なくなっていた息子さんが誰よりも自分のことを心配してくれていると知り、そこからは息子さんの活躍を自分の生きる力にすることで、“大切な人がいるからどんな治療も乗り越えられる”と思えるようになったそうです。また、がんにかかったことで出会えた仲間もたくさんいて、病気にはなってしまったけれど、マイナスなことだけではなく、人生の考え方が変わったり、限りある時間の大切さに気付いたりと、得たものがたくさんあったことを教えてくださいました。

また、娘さんを7歳の時に小児がんで亡くされた大﨑先生からは、娘さんが身をもって 教えてくれた「生きていることの奇跡」についてお話しいただきました。

闘病中、ブドウしか食べることが出来なくなってしまった娘さんは、果物屋の“おじちゃん”とお母さんには内緒で手紙のやり取りをしていたそうです。娘さんが亡くなった後に見せてもらった手紙にはいつも「私は元気です!」と書かれていたとのこと。

それまで娘の病気は自分のせいだと自分を責め続け、謝る日々を送っていたそうですが、娘さんが手紙に綴った言葉を見て、「娘は病気でも前向きに楽しく与えられた時間を一生懸命生き抜いた」と知り、それからは娘のように、そして娘のためにも一生懸命に生きようと前を向かれたそうです。大崎先生が最後に伝えてくださった「今日という時間は誰かが生きたかった時間である」という言葉が胸に刺さりました。

3名の先生方の言葉の一つ一つには当事者だからこその思いと真実が込められており、学生たちは皆、涙を流しながら聞いていました。最後には学生から「自分の生命も大好きな人の生命も大切にしなければと思いました。」「早期発見の大切さを知り、大切な人と一緒に検診に行こうと思います。」という感想が述べられ、3名の先生方が伝えてくださった言葉はしっかりと学生の心に届いたようです。

保育者は子どもたちの大切な命を守る職業です。今日の学びを忘れずに、命を守るために自分たちにできることをこれからも考え続けていって欲しいと思います。                         

(1年副担任:塚越亜希子)

ピンクリボン「生命の授業」を開催しました

2023.10.16

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