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日本図書館協会の「認定司書」

こんにちは、司書教諭課程特任講師の阿部です。
私は以前、さいたま市の図書館に司書として勤務していました。今は図書館の活動を支える団体、社団法人日本図書館協会の施設委員としても活動をしていて、『認定司書』でもあります。

ここで、日本図書館協会をご紹介します。
日本図書館協会は明治25(1892)年、日本文庫協会として設立され、100年以上の間、図書館の普及・振興に努めてきました。この長い歴史の中に、道標(みちしるべ)ともいうべき、多くの出来事がありました。なによりも、戦後間もない昭和25(1950)年、民主主義の理念を色濃く反映した「図書館法」の成立があげられます。戦後の財政難の中、なかなか活動が思うように進展していない状況を打破したのが、昭和38(1963)年に日本図書館協会から出された「中小都市における公共図書館の運営」であり、昭和45(1970)年の「市民の図書館」でした。これらの冊子に掲げられた理念が、多くの賛同者を生みだし、新たな活動が全国に波及し、住民に身近な図書館が数多く生まれました。その結果の一つの光景として、通学・通勤の電車、バスの中で、バーコードの付いた図書館の本を読んでいる人をよく見かけるようになったと思います。

図書館イメージ

しかしながら、こうした活動の結果、図書館が住民に身近なものになったことは正しいのですが、図書館は“本を貸すだけのところ”と簡単に考える人も多くいます。これからの図書館はこうした住民の誤解を解き、新たな活動の舞台となるために、住民のための情報提供サービスの活動、住民の学習活動の拠点として、もっともっと、住民の身近な公共施設とし、生涯学習活動の場として、活躍しなければならないと考えます。

こうした活動を支えるには多くの人材が必要です。日本図書館協会は、10年ぐらい前から、大学や司書講習で得た資格取得の後、10年以上のキャリアに加え、たゆまぬ自己研鑽と自館での活動のみならず、対外的な図書館活動や、論文を発表するなど、上級司書としての『認定司書』の制度を論議してきました。平成20(2008)年の予備審査を経て、昨年本審査を行い、37名の『認定司書』を選び制度がスタートしたところです。私は偶々応募してみたところ、認定されたことは名誉なことと思っています。

阿部峰雄先生

これからも、図書館のため、機会あるたびに様々な活動に取り組みたいと思っているところです。

こども学科 講師 阿部峰雄

日本図書館協会の「認定司書」

2012.09.26

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