早川監事による「経営を見据えた予算の立て方」についての講話

 10月6日(水)16:30より、早川監事

 

 学校は企業と違い、コストカットのみを重視することはしないという点が特に印象に残りました。「無駄なものは全て切り捨てる」コストカットばかりに重きを置くことはせずに、「教育的意味、価値なども鑑みた上で、予算を立てる時に丁寧に数字を見ていく」必要があります。

 

 <予算遵守主義>の意識で、①活動計画を立てる。②予算編成を行う。③計画通り活動する。この三つができれば予算と決算の乖離がないはずであり、予算が遵守できます。

予算立ての時に甘い見通しであったり、不測の事態が起こったりすると乖離が起きますが、十分に考えられた予算であれば、不測の事態で起きた資産の動きについてもすぐに原因が突き止められて、対応しやすくなるということです。

 けれども、どんぶり勘定であると、なぜ予算超過しているのかが判然としないまま、目標値もなく漫然と資産を使ってしまい、計画性や実行性がないことが露呈してしまいます。そういったことの積み重ねで経営が保たれるか傾くかに大きな影響が出てくるのであると、改めて考えさせられました。

 予算は事業計画とリンクするものであり、予算を立てることと実効性のある活動計画を立てることは、ほぼイコールであるということがとてもよく伝わりました。修繕費も予算に盛り込む必要がありますし、部門ごとに細かく活動計画と予算を突き合わせる必要もあるということが述べられました。

 

 収支を見る事は、考えるヒントになる。数字が示す、本学の特徴と活動実態。予算と決算の数字は、工夫の種であるから、多角的に見て調整できるのであればした方が良い。購入するならしっかりと製品を比較して情報収集をした方がよい。というお話からは、数字に対する信頼と愛情すら感じました。あるいは、数字から真実が見えてくるという「想い」のような熱を感じました。

 

 堺雅人さん主演の「武士の家計簿」という映画を見たことがあります。御算用者(経理係)として誠実に数字と向き合い現実を見つめ、真実のために動いた数字に厳しい主人公を見ながら、「世の中にはこういう細かい数字に長けた人がいるのだなぁ」と感心していました。しかし本学の教職員も同じように数字に向き合っていかねばならないことに気づかされました。餅は餅屋と言います。数字や予算について教職員全員が長けていることはありません。これから学んでいかねばならないことだらけです。早川監事は、「情報共有」と「わからない時は聞く」ということを最後におっしゃいました。

 「なんでも一人で完璧にできなければならない」「人に聞くのは恥ずかしい」という意識ではなく、当たり前に情報共有ができ、教えてもらい、教えられるような関係性を築いていくことが、予算だけでなくこれからとても大切な事になると思います。

 

 とても分かりやすい講話をいただき、数字の苦手な筆者も希望が見えてきたように思いました。これからもSDを通して良い学びを行えたらと思います。

早川監事、お忙しい中、ほんとうにありがとうございました。

 

FD&SD推進委員長 細田 香織

早川監事による「経営を見据えた予算の立て方」についての講話

2021.10.07

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