2013
04.15
春の特別授業
小学校教員課程の1年4名の学生に実習形式の講座を雨読晴耕村舎で行いました。
今回の実習講座は実際に初等教育の子供達と向き合ってできる課題をとりあげてみました。
実習形式のいいところは、言葉より前にまず体験があることです。
脳の全体を使う感じと言い換えることもできるでしょう。
学生たちには初等教育の子供の立場、視点になって講座に参加してもらいました。
午前中のプログラムは「昼食のピザづくり」
アーチ型のピザの石釜を組み立てるところからスタートです。
紀元前の昔から人類が到達していた建築技術ですが今でも
初めてやってみるとやはり驚きがあります。
石釜を組んだあとはそれを焚き火によってあたため、蓄熱します。
天気があまりよくなかったこともあり火をつけるのに少し苦労していました。
どのようにすると火がつきそれを大きな火にしていけるか、
そんなことも自分で実際に試行錯誤しながらやってみることがここでのポイントです。
1時間くらい石釜をあたためている間、
ピザの生地を発酵させたり、成形させトッピングしていきました。
いよいよピザ焼き。
ものの3分ほどで焼きあがります。歓声です。
昼食はあつあつのピザを
雨読晴耕村舎の農場でつくった人参ジュースと生姜のジンジャーエールを飲みながら
いただきます。
午後は畑に出ました。
最初は玉ねぎのまわりの草取りです。
”雑草”とひとくちに言ってもそれぞれ名前も性質も物語ももっています。
草をとりながら子供たちと草の話や生きものの話ができる先生がいたら素敵じゃない?
学生たちはさすがで今の時期花盛りのホトケノザの名前を知っていましたし、
またヤエムグラについてはスラスラ、
百人一首のえぎょう法師の和歌を暗唱してくれました。
昼飲んだジンジャーエールの生姜の植え付けもしました。
ヘアリーベッチというマメ科の草の間に植えていきます。
ヘアリーベッチの根っこについている根粒菌の話など
空気中から肥料をとりこむ話などをしました。
やはり昼に飲んだ人参ジュースの人参の収穫も少ししました。
こうして実際に自分たちが食べたり飲んだりしたものと
畑の作業をリンクさせていくとより作業の目的がわかりやすくなるかと思います。
畑に設置しているヤギ小屋乾燥室の見学もしました。
ヤギ小屋の屋根うらは干し芋などを干す場所になっています。
もう出産まじかのヤギ達の観察もしました。可愛い恐い、などの反応を超えて
じっくり”見ること”そしてこのような中型の哺乳類では世話をしてやることにより
心をすこし通わせることができることを知ってもらいたいと思います。
これは一年くらいの時間がかかるでしょう。
最後に学生さんとお茶をのみながら感想などを話しあいました。
なかでも動物が苦手の学生さんが子供達の動物への関心をそがないため
努力していることや学校の先生になったとき苦手をどうやって克服するか、
考えていることを語ってくれたことが印象的でした。
雨読晴耕村舎 後藤雅浩(「保育実践演習」幼児と環境ゼミ担当講師)