
2011
08.31
ゼミ生達と東京子ども図書館に行ってきました!
かねてから行きたいと思っていた東京子ども図書館に、
ゼミ生達と行ってきました。
細田ゼミでは、
昔話や絵本、児童文学に興味のある学生達が集まり、
研究の準備を進めています。
ある人は、「鬼」について。
ある人は、「映画‘千と千尋の神隠し’に見る昔話や神話との接点」について。
ある人は、「作者がある子どものために書いた児童文学」
(『くまのプーさん』=息子のため,
『ピーターラビット』=家庭教師の息子さんのためetc)について。
他にも、
「魔女」や、「昔話の再話絵本の比較」等、それぞれにテーマを決めています。
今回は夏休みを利用して、
東京子ども図書館の見学と、資料収集を行ってきました。
あいにくの雨でしたが、
レンガ造りの小さな図書館はとても雰囲気があって素敵でした。
図書館に入ると、見学担当の方が出迎えて下さり・・・
まず「おはなしのへや」で、ストーリーテリングを聴かせていただきました。
そのお部屋の素敵なこと!
暖炉とろうそくと小さな椅子が置いてあり、
私たちはその前に座布団を敷いて座りました。
おはなしは、グリム童話より「あかずきん」。
温かく柔らかな雰囲気で語られる「あかずきん」は、想像の中でいきいきと動きました。
私たちは贅沢な時間をすっかり堪能したことでした。
ここでは、
「おはなしのじかん」以外でも、
たとえ1人だけでも「おはなしをして」と子どもが言ってくれば、
その子に一対一でおはなしを語ってくださるのだそうです。
一般的な公共図書館にはない、子どものためを一番に考えたサービスです。
ここは、
家庭で開いていた文庫が元となっている図書館なので、
その温かな雰囲気がまだ残っています。
貸し出しカードは、手作りでかわいらしいものです。
図書館の方々は、利用する子どもの顔と名前が一致します。
1人1人のかわいい利用者を大事にして、その子に合った本を提供してくださるため、
とても幼い頃から中学生まで継続して足を運んでいるお子さんもいるとのこと。
また、親子2代に渡って利用している方もいらっしゃるそうです。
選書をとても大切になさっていることは、大事なポイントです。
「子どもが読む本こそ、良いものを」と、
選書のメンバーが選びに選び抜いた図書が児童室に並ぶとのこと。
子どもと本を愛する大人を介して、
良書(おもしろく、夢中になる本たち)が並ぶ図書館。
私も子どもを連れて、また訪れたいと思いました。
本の貸し出しは3歳から。
なぜなら3歳になると、「図書館のおやくそく」が分かるようになるから。
さらに、0~2歳までは本を挟んでというよりは、
わらべ歌や手遊びなど、大人と直接のスキンシップをとってほしいから、
とのことでした。
これから図書館の利用を始めるという子どもは、最初に儀式をします。
「おやくそく」を一つずつ教えてもらい、それを守れるかと聞かれます。
「はい」と返事をしたら、台帳にサインをするのです。
そのサインがかわいらしいこと!
3歳児は、まだ名前が書けないので、○や、―を書いていました。
子ども達が本を借りる児童室のご説明をいただいた後は、
資料室を案内していただきました。
私たちにとっては、宝庫とも呼べる場所でした。
昔話の研究書に、
児童文学作家の研究書、
外国の児童文学の原典や、賞をとった絵本が年代別に並べられている棚等、
なかなか出会えない資料もたくさんありました。
特にE.コルウェルコレクションは、
他ではお目にかかれない、貴重な資料です。
私は、
石井桃子さんが書かれた記事を全てファイリングしてあるという資料に心惹かれ、
読み浸っておりました。
資料室には2時間以上いましたが、
それぞれ夢中で読んだり、
資料収集をしたり…
熱心に取り組むゼミ生達でした。
資料を探しながら
「面白いもの見つけました!」
「こんな本もありました」と
目を輝かせる学生達を見て、
感動を共有できる喜びを感じたことでした。
こども学科 講師 細田香織