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『英語論文書き方セミナーに参加してみました!』

最近のニュースに拠りますと、アメリカ合衆国のオバマ大統領と日本の安倍首相の間で、「日本からアメリカへの留学生を現在の二万人から四万人にする!」という取り決めが出来たそうです。また、「国際的人材養成」というスローガンの元、多くの大学で国際交流が盛んになっています。本日、4月21日付「埼玉新聞」のなんと一面にも、海外留学の経験のない学生を対象にした英語漬け合宿(4泊5日)『グローバルキャンプ埼玉』を催す、というような記事が出ていました。もはや、こういう国際化の波は避けられないと観念して、4月20日(日)「社会学コンソーシアム」(日本学術会議の社会学関係の学会の集合団体)主催
[於 成城大学]の“How to write  an  Academic  Paper  in  English”
(「いかに学術的論文を英語で書くか」)というコースに参加してきました。東京工業大学、特任准教授ハル先生の、アメリカ人らしいアグレッシブな(攻撃的、アメリカでは評価して使われる言葉)講義には、圧倒されました。以下先生の御話をかいつまんで書くと、「16世紀までは、英語の論文も、日本の論文と同じく長ったらしかった。英語の論文は、日本語論文と違う。日本語の順番で英語の論文を書いてはダメ。日本の最優秀といわれる大学卒の人が、そういう文章を書いている。問題は、英語のグラマーというより、論文の構成・デザインであり、英米人がよく言う、英語がおかしい“Your English is bad”ということは、グラマーではなく、実は『あなたの英語の思考方法がおかしい』ということである。私は、論文を、小学校3年生から書いている。大学に入ってはじめて、論文を書くというのでは遅い。英語では、初めに大事なことを書く、結論が初めにある。そして導入と結論が同じである。日本人の論文は、時々、導入と結論が同じでない。日本人の論文は前置きが長い。論文は日記ではないので、時系列的に書く必要はない。英語の論文では二重否定的表現はダメである。」など等、4時間、ブロークンな日本語と英語のチャンポンでまくしたてられました。
以上を簡単に箇条書きすると、
①    日本語の順番で英語の論文を書いてはダメである。
② あなたの英語がおかしい!」という場合、グラマーではなく、英語の思考方法がおかしい、ということである。
③    論文を大学に入学してから書くようでは遅すぎる。小学校からはじめるべき。
④    英語では初めに大事なことを書く。結論が初めにある。
⑤    論文の導入と結論は同じでなければならない。
⑥    日本人の論文は前置きが長い。
⑦    英語の論文では、二重否定は使わない。
さらに英語の例を挙げますと、「英語の文章は、SVOの順番で書かなければならない」という規則があります。これは語の順番が比較的自由なドイツ語とは違います。
This grammar rule is the absolute most important rule.
If you start writing each sentence as SVO, you will be automatically writing more natural English.
Moreover ,the subject should be meaningful and the subject and verb should be poisoned
as close together as possible. 
また「中野を過ぎると、各駅に止まります」という文章を、日本人が英語に訳すと、時々、次のような文章になります。
“After Nakano, we will be stopping at all stations beyond.”
しかしこれをアメリカ人が言うと
“The train will be stopping at all stations after Nakano.”となります。
 このように単なる論文の書き方というよりも、「コミュニケーションの相違」もこの講座で学ぶことが出来ました。日曜日を犠牲にして行った価値がありました。ところで、埼玉純真短期大学の公開講座のドイツ語でも、70歳近い方が、一生懸命勉強されています。このような姿を見るにつけ、「これらの方々が、ドイツを語を実際に使うことは少ないかもしれない。しかし実は、勉学自体が尊いのではないか?!」と私は思うようになりました。このような勉学への思いをしっかりと受け止めてこそ、埼玉純真はますます「教育・研究の府」として発展するのではないでしょうか?その想いに応えなければ、残念ながら衰退すると考えます。曰はく「天網細々、疎にして漏らさず」と。 

こども学科 教授 入江 良英(図書館担当)

  

『英語論文書き方セミナーに参加してみました!』

2014.04.22

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