今日の心がけ~職員のスピーチ~
恩送りの言葉
2020.08.05
あるサービスエリアでの出来事です。
M子さんはトイレの前の長い行列に「もう我慢できない!」と泣く4歳の娘と一緒に並んでいました。
あと少しというところで、前に並んでいた人が「よくがんばったわね、お先にどうぞ」と順番を譲ってくれたのです。
このことが本当に嬉しかったM子さんは「お先にどうぞ」という言葉を多用するようになり、娘も真似をするようになりました。
ある時、スーパーのレジで並んでいると娘が「お先にどうぞ」と後ろの人に声をかけました。
そこには、牛乳を手に持った初老の女性が並んでいました。
「どうもありがとう」と優しくお礼を言うその女性と娘の姿にM子さんは幸せな気分になりました。
人から受けた恩を直接その人に返すのではなく、別の人に送ることを「恩送り」といいます。
M子さん親子の「お先にどうぞ」も恩送りの言葉なのでしょう。
自分も相手も幸せになるような、恩送りの言葉を交わしたいものです。
「恩送り」には相手を慈しむ気持ちがあふれていると思います。
災害に遭った場所にボランティアをしに行く人々や弱者といわれる人々に思いやる言動をする人々はそれを実践しているといえます。
この4歳のお子さんの心にはおそらくSAでのことは記憶の断片でしかないかもしれませんが、お母さんの真似をして言葉を発していく段階で「恩送り」を体得していったのでしょう。
自分だけよければよい、という風潮がある中、このような考えを持っていれば、いろいろとまあるく収まることでしょう。
今日の心がけ♦受けた恩を送りましょう
出展(『職場の教養』:一般社団法人倫理研究所より)
以上
学生担当・子ども支援地域連携センター担当 奥貫